book:人口から読む日本の歴史
久しく放ってあった本書を、今日読了。
縄文時代から弥生、古代、中世、近世、そして近代の日本の人口動向を、各種史料から推計して四つの波の存在を指摘し、その原因をマクロに、あるいはミクロ的に追及した本で、なかなか面白かった。
近世の、つまり江戸時代前後の統計が寺院の過去帳などにより比較的明確につかめて、しかも風習や気候・疫病などの人口に影響を与える外部的要因が比較的明らかなので、その分析はとても具体的かつ説得的だ。
女性の平均寿命が男性より短いという点、これは今と逆なのだが、その原因は多産でしかも出産のリスクが高いことから説明される。そのことはいわゆる出産年齢層の平均余命が低く、出産年齢を超えると高くなっていることにも示される。
また、子供も、5才までの死亡率が高いことを統計的に明らかにして、また人為的な間引きによる統計の歪みなどを示して、当時の観念として子どもが5才を迎えることで社会的に「出生」したと考えられたことに結びつけている。
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