law:非訟事件手続法改正・家事事件手続法成立
衆議院サイトより
日程第一 非訟事件手続法案(内閣提出、参議院送付) 日程第二 家事事件手続法案(内閣提出、参議院送付) 日程第三 非訟事件手続法及び家事事件手続法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出、参議院送付) 右三案を一括して議題とし、法務委員長の報告の後、三案とも全会一致で委員長報告のとおり可決した。
国会はちゃんと働いているのだ。
非訟事件というのは、原告と被告という二人の当事者が権利義務をめぐって争う「訴訟」に非ずという意味で、対立する当事者がいなかったり、権利義務の争いではないような事件について、裁判所が決定で処理する事件類型をいう。
例えば、弁済期前に裁判上で債権を保全するための手続きとか、供託とか、動産質の実行許可とか、細々とした事件が民事でもある。そしてより一般に、倒産手続は全般的に非訟だし、会社法にも非訟事件があるし、家事事件手続法の対象となる事件も一般に非訟事件に属する。
今回改正されたのは、こうした様々な「訴訟」以外の裁判手続の一般法に当たる部分である。
また家事事件手続法というのは、従前の家事審判法を改正したもので、家事調停や家事審判が対象となる。その中には、離婚の際の財産分与とか子の親権監護権の帰属とか遺産分割とか、争いのある事件も多数含まれているが、他方で後見人の選任とか不在者の財産管理人の選任とか、実質的な争いがなく、そもそも対立する当事者もいないという場合が含まれている。
後者、すなわち実質的に争いがない事件は、従来は「甲類」と呼ばれていたが、新法では別表一に134の号が列挙されている。
また前者、すなわち実質的に争いのある事件は、従来の「乙類」で、新法では別表二に16の号が列挙されている。
これらの新法について、私の大学院のゼミでは今後、夏前までに改正の前提となる問題点と改正法の内容、趣旨をテーマとして取り扱う予定である。
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コメント
まぁ、働いているといえばそうなのでしょうけれど、各院の委員会での審議期間が、いずれも1週間くらいですか・・・そうですか・・・。
投稿: えだ | 2011/05/24 20:21