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2011/04/29

event:inlaw特別チャリティ講演会:大災害とソーシャルネット

情報ネットワーク法学会が、今年の特別講演会をチャリティとして実施する。
日時は5/13 13:00-15:30
場所はお台場・東京カルチャーカルチャー
参加費1000円はすべて東日本大震災の被災者支援に寄附をする。

そして、そのテーマも情報ネットワーク法学会らしく、『大災害時のソーシヤルネットワーク・インターネットの効用と課題』

このテーマに関連して、個人的に思うところをいくつか書き留めておこう。

・まず、大震災のような災害時のネットワークの連絡手段としての効用。
 横浜での個人的な経験としては、電話は有線無線ともつながらず、使い物にならなくなったが、メールは途切れ途切れながらもともかく届き、Twitterも機能した。特に自宅のLANからのアクセスは好調だった。しかし、携帯からメールやSNSにアクセスしようとしても、少なくとも数時間はつながらなかった。また大津波や地震被害を直接受けて物理的に通信設備が破壊された地域では、ネットワークが緊急時の連絡手段になったかというと、疑問だ。
 衛星無線であればともかく、無線中継局が必要なネットワークはやはり災害には弱いだろう。そこをどう克服していくか、ライフラインとも言われる様になっただけに、通信回線のさらなる堅牢さが求められる。例えばハムのような無線局からパケットを送受信できるようにはならないのか?

・対して災害復旧のための連絡手段としては、情報ネットワークの優位性が存分に発揮されている。孤立した地域の救援情報、グループウェアやSNSによるボランティアワークや公共機関の活動効率化、検索サイトによる人探し情報交換、必要物資のマッチング、海外メディアを通じた日本の情報の確認、テレビ放送をネットに流すことの効用、公式発表をネットでダイレクトでみられることの効用などなど。枚挙にいとまがない。

・しかし、肝心の被災地には、通信設備がないためにネットにアクセスできず、インターネットよりも壁新聞が有効だったという象徴的な出来事があった。ネットには電波送受信の設備と、それを動かす電力が必要で、いくらライフラインとなったといっても、他のインフラの存在を前提にした二次的なライフラインに過ぎない。やはり1000キロ単位で届く電波を電池で動く装置で送受信できるモバイル機器でパケットをやり取りできないと、災害時のみならず災害復旧時にも十分ではない。やっぱりまだラジオには負けるのか。

・さらに、情報量が多くなればノイズもまた多くなるし、災害時にはノイズが大きな被害と混乱を引き起こすこともまた知られている。いわゆるデマ問題だ。しかし一概にデマと断定でき排除できるものは少ない。虚偽の情報なのか可能性ある情報なのか、悪意で煽っているのか不安の表明なのか慎重さの現れなのか、出所の不確かな情報はRTしない方が良いと本当に言えるのか。それにマスメディアがデマ発信源ともいえる事象もあった。誤報と言い訳しているが、菅政権攻撃に急なあまり早とちりしちゃいましたという感じの誤報は、悪意のデマとどれほど違うのか? またそれに乗ってしまった著名人も何人かいて、影響力は結構大きかった。
 通常時であれば、情報にノイズがあるのは普通で、情報の受け手がそれぞれに自己責任で判断すべきということになる。しかし緊急対応を要する災害時には、それで良いのかも疑問だ。だからと言って大本営発表のみが正しいとは全然言えないのだが。

・既存のマスメディアとネットの情報流通との関係もまた、新たな段階を迎えた。
 緊急時対応とはいえ、テレビ放送をネットで流した事実は大きい。その効用も大きい。
 またネット上の情報を再報道するマスメディアという姿も、wikileaksの頃から進んでいる。
 大スポンサーに不利なことは報じられないがゆえに、原発事故の共犯でもある民放・新聞等、公的機関との癒着の温床でもある記者クラブ問題(労組が会社から便宜を受けるみたいな)、それにアリの一穴をあけつつあるフリージャーナリストとネット放送。
 しかしだからといってマスメディアなしでは、情報流通が十分でないことも事実だ。海外にいると、日本のテレビや新聞から隔離されるわけで、ネット経由の情報しかないが、やはりマスメディアのニュースサイトが主要情報源だったりする。
 ま、要するに、色々指摘されているタブーの殻を破って、マスメディアが独立したジャーナリズムを取り戻してほしいというところだ。

さて冒頭の特別チャリティ講演会、出場者も以下のような豪華な顔ぶれだ。

【講師】
藤代 裕之(ジャーナリスト)
金子 郁容(慶應義塾大学政策・メディア研究科教授)
村山 優子(学会理事長、岩手県立大学教授)

【司会】
一戸 信哉(学会理事・敬和学園大学人文学部准教授)

大災害の話を13日金曜日にするのは、単なる偶然であろう。

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