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2011/03/16

France首相の議会スピーチ(3/15)

前エントリでは共同電によったが、フランス在日大使館のサイトから首相答弁の全文が公開されていたので、それを要約してみよう。

「日本は過去4番目の規模の地震と津波で万単位の死者がでて、1945年以来の大惨事に見舞われている。私はフランス人を代表して、日本国民に対する連帯を表明する。日本人の勇気と尊厳、冷静さに感嘆する。

緊急人道措置として救援隊を送るとともに、避難民に必要な物資を送る。

また急を要するのは原発問題だ。福島原発の事故は第6レベルであり、原子炉格納容器内はひどく傷つき、使用済み核燃料プールも脆弱で、放射線は必要な作業ができないほど困難で危険なレベルである。空気中への放射性ガス拡散も増大している。風は南向きで、東京でも放射性物質が検出されている。たとえ今は心配な程度でないとしても。

我々の第一の任務は、日本との連帯で、核問題の専門家を日本に送るなどの措置をとる。

第二の任務は日本在住フランス人の保護で、通常は5000人ほど東京周辺にいるところ、現在は2000人残っており、そのうち280人の優先的保護の必要な人、子どもなどは日本に派遣した援助チームの飛行機で帰国する。この飛行機はまた1000単位のヨード剤をフランス人向けに運んでいる。東京に残る必要がない人は、フランスに帰るか、南方に移動することを勧める。フランス政府は我が同胞の求めに遅滞なく応じられるように、アジアにいる航空機が出発できるように、エール・フランスに要請した。

最後に、フランスの原発監視や検査を強化する。

日本のこの状況はフランスの原子力政策にも議論を引き起こすだろうが、今は日本に協力するときだ。その後、日本で何が起きたか、地震の規模と津波被害を勘案して、フランスの原発の安全性も再確認する。」(要約)

ということで、今すぐ脱出のための飛行機派遣というわけではないが、仏人保護のためのいくつかの措置を現実に行っていることは確かである。それと同時に、救援にも核対策にも、フランスは多大の協力をしてくれている。

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コメント

こういうことを書くと不安を煽るようで気が引けるのですが、福島の原発の安全性については1970年代から問題があるのではないかと専門家に指摘されていたようです。

GE社が作ったMark 1というタイプの原子炉を福島でも導入したようなのですが、アメリカでは1980年代に問題箇所の補強を進めたそうですが、東京電力ではどのように対応したのか気になるところです。

投稿: koneko04 | 2011/03/16 13:43

私が気になるのは、MOX燃料が漏れていることで、事態が悪化するのかどうかですね。

広瀬隆氏の記事はもうそれどころじゃない感じですが。

投稿: 町村 | 2011/03/16 15:09

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