consumer:北海道初の消費者団体差止請求提訴!
本日、ホクネットは中古自動車買取業者「バイアップ」に対し、一律キャンセル料条項の使用差し止めを求める訴えを提起した。
ホクネットによると、業者は中古車買取契約で顧客の個人から解約の申し出があった場合、解約料に関する条項によって、一律5万円の解約料を徴収。申し出が契約直後や車を引き渡す前でも、同額を取っているという。ホクネットによると、この業者について、札幌市消費者センターなどには2010年までの5年間に82件の相談が寄せられているという。
この差止請求訴訟の対象は解約料が平均的損害を超えるという点だが、中古車買取業者の問題点はそれだけではない。
高い値段で買い取ると言っておきながら見積もりをとるとすごく安いとか、預けた車をかってに転売するとか、ネットにはその手の話がたくさん書かれている。
まるで蟻地獄のような話もある。
ホクネットの提訴事案に話を戻すと、一律5万円という解約料は、消費者契約法の以下の条項に反するというのである。
第九条 次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。
一 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分
要するに、解約料は解約により事業者に生じる平均的損害を超える額であってはならず、超える額の解約料はその超えた部分について無効だというわけである。
中古車買取業者が買取契約を結ぶと、直ちに解約料の定めが適用になるのだが、まだ契約を結んだだけでは解約されても事業者には何等の損害も生じないはずであり、つまりは丸ごと無効なのである。
この種の損害がないのに解約料を定めている事業者には、考え直すことをお勧めする。
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