bar:弁護士の就職問題考察サイト
京都の弁護士さんのプログ白浜の思いつきが、継続的に弁護士・法曹の就職問題を考察している。
最初に、この事実を引用しよう。
二回試験合格直後に法曹にならなかった人の推移
59期 27人 2.33%(合格者数1,158人)
現行60期 69人 4.94%(合格者数1,397人)
現行61期 33人 5.42%(合格者数 609人)
新61期 88人 5.08%(合格者数1,731人)
現行62期 51人 14.4% (合格者数 354人)
新62期 132人 6.6% (合格者数1,992人)
現行63期 44人 22.6% (合格者数 195人)
新63期 214人 11.0% (合格者数1,949人)
白浜先生のデータを元に未登録者の割合をグラフで示すと、以下のようになる。
これは未登録者数の割合推移だが、いくつか注意点がある。
まず、旧の二回試験合格者には再チャレンジ組が含まれており、それが未登録の割合を押し上げているであろうこと。
次にこれは登録開始日におけるデータであり、その後の追加登録は含まれていないこと。
登録ベースなので、ノキ弁や宅弁と呼ばれる人たち、あるいは即独という人達は未登録者ではなく登録者の方に含まれていること。
とはいえ、推移を見れば、二回試験合格後、弁護士会に登録しない人が毎年増加していることは一目瞭然だ。
ちなみに、このデータから分かることはもう一つ。二回試験合格者数自体も63期では減少したようだ。
さて、白浜先生のプログにある他のエントリには、以下のような興味深い分析もある。
弁護士になっても廃業する人が増えているという現実
このエントリのデータは、ある仮定の下での推測なのだが、要するに若い期の弁護士が退会する数が増えているということである。2008年で55期以降の退会者が66名、2009年は72名となっている。
この中にはヤメ判ヤメ検の弁護士さんが短期間で廃業する場合も含まれているが、それは少数にとどまる上、3月で退会する数が多いようなので、他の仕事に就くことになった若い弁護士が増えていると推測されている。
他方で、裁判官の中途退官者数は減っているので、裁判官の新規採用の重しになっているという分析もある。→裁判官や検察官の中途退官者が減っているようです
この白浜先生のプログ記事を紹介した別の弁護士さんの末尾の言葉。
増員論者に見せつけてやりたい気分です。
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