news:再犯抑止に保護観察が役に立つ
特に出所直後に再犯で検挙される率が、仮釈放中の者に対して満期出所者が5.5倍に上っているというのだから、保護観察が現に行われているときの抑止効果は高いものがありそうだ。
出所後の就職支援など、受刑者の利益になる処遇とセットで、再犯抑止のための指導を強制することも憲法違反とはならないと思うのだが、いかがであろうか?
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特に出所直後に再犯で検挙される率が、仮釈放中の者に対して満期出所者が5.5倍に上っているというのだから、保護観察が現に行われているときの抑止効果は高いものがありそうだ。
出所後の就職支援など、受刑者の利益になる処遇とセットで、再犯抑止のための指導を強制することも憲法違反とはならないと思うのだが、いかがであろうか?
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コメント
保護観察つき仮釈放と満期出所とを無作為に振り分けたのではないので、再犯率に有意差があるとしても、積極的に前者の処遇をすべきであるとは言えないと思います。
投稿: 井上 晃宏 | 2010/11/04 17:17
確かにそれだけではそうかもしれませんが、要は野放しにするか、コントロールを施すかで、コントロールを施している間が再犯率を抑えられていると言うことなんですよね。
保護観察中のコントロールが、少なくとも直接的には抑止効果を持っているわけです。
投稿: 町村 | 2010/11/04 18:40
>無作為に振り分けたのではない
圧倒的に良い結果が出ているので、「抑止効果は高いものがありそう」という結果は充分に肯定できます
井上さんの言動は、基本的な臨床試験の理解を欠いた、非常に高圧なものです。
同じ医療従事者っぽい発言ですが、生半可であり、恥ずかしくなります。反省して欲しいものです。
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それはそれとして、
問題は別のところにあって、保護観察を行ってくれる保護司への負担がどんどん大きくなり、成り手も少なくなっているということです。
犯罪を犯した人の更正に良い事が分かっていても、社会の受け入れ、負担に関する理解が追いついていないのです
医療保険制度に掛けるお金のほんの一部を回すだけで立派な社会福祉政策が実行できると思うのだけれど、司法関連予算の貧困は目を覆うばかりです
医療のように直接の受益者が大きな声を出すことができないものは政策の優先度が下がるのでしょうが、適切な配分がなければ社会システムが不安定化します
保護司の方々への敬意を払わずにはおれません
一部の人の厚意に悪乗りしているようでは、将来に危機感を覚えます。
これは日本の救急医療(特に夜間)に対する私の危機感と一致してます
投稿: Med_Law | 2010/11/04 18:46
民生委員もなり手がいなくて困ってますので
司法矯正と福祉のゼロサム的な見方は勘弁いただきたいかな、と。
保護観察どころか警察が直接介入するっておいおい…
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/nation/jiji-101104X900.html
投稿: passenger | 2010/11/04 23:07
>圧倒的に良い結果が出ているので
そもそも、仮釈放を許可する要件に、「再犯のおそれがない」が入っているのですから、「仮釈放は再犯の抑制に有効かどうか」については、何も言えないと思います。
「基本的な臨床試験の理解」などと言うのであれば、業界の基本書籍のどれのどのページを根拠としているのかを開示していただきたく思います。
投稿: inoue04 | 2010/11/05 02:09
速く議論が進むように、おそらく一致しているであろう点を書いておきましょう。
この研究は「前向きコホート試験」と言われるものであり、エビデンスレベルでは、せいぜい、2aです。RCTではない。
それでは、RCTではない(無作為割り付けしていない)対照研究をどう評価するのか。RCTでも、有意差判定の危険率を5%とするのは、大して根拠はなく、業界の慣習でしかないように、前向きコホートでも、有意差判定に業界で一致した見解があれば、採用すべきでしょう。
有意差判定の基準を作るなら、割り付け段階の恣意性を変数とする関数になるでしょうが、Med_lawさんはそこまで考えて書いてますか?
「圧倒的に良い結果」などと気楽に書ける根拠をお教え願いたい。
投稿: 井上 晃宏 | 2010/11/05 03:06
わざわざ、悪名高いinoue04氏と井上晃宏氏の二人羽織での登場で、ご苦労様です
>特に出所直後に再犯で検挙される率が、仮釈放中の者に対して満期出所者が5.5倍に上っている
この5.5倍を見てどう考えるかだけの問題でしょう
”手術では手を消毒しましょう。””清潔な手袋をはめましょう。”という位のレベルの話では、RCTをする方が、非倫理的なので(対照群に選ばれる人の権利が守られない!)、”どの臨床試験の教科書”を読んでも出てくるRCTの頻出論点です
保護観察ということで更正する人に社会的繋がりを維持させることが再犯の防止に役立つことは、論理的にも充分に納得できることであり、論理的な齟齬もありません
ホーソン効果も期待できそうです。
不勉強を横に置いて、”気楽に書ける”と批評する神経を疑ってしまいます。
”RCTでなければエビデンスではない”とでも言いたげな恥ずかしい態度は止めましょうね。
投稿: Med_Law | 2010/11/05 10:10
どうやらMed_Lawさんは非無作為対照試験を客観的に評価する基準を知らないようですね。いや、私も知らないんですけど。
割付の基準次第で、どうにでも結果は変化してしまうので、割付の強度を考慮して評価しないといけないと思います。
投稿: inoue04 | 2010/11/05 19:27
inoue04と井上晃宏との使い分けを止めるところから議論を始めたら如何かな?
第一、「自分が知らないし判断できないから、相手も知らないに違いない」という推測は失礼極まりない
判断ができないのであれば、評価もできないはずだわな
コホートだったらリスク比は計算できるので、ちゃんと2x2の数字を入れられたら評価できます
http://www.kdcnet.ac.jp/hepatology/technique/statistics/reading/ebm3.htm
>割付の基準次第で、どうにでも結果は変化してしまうので、割付の強度を考慮して評価しないといけないと思います。
全く意味不明です
介入試験において、介入の要素を変えれば、結果が変化することは当然としても、”どうにでも結果が変化”する恣意的な操作ができる訳ではありません(特に前向き試験の場合)
用語の意味を知らずにキーワード並べただけの詭弁に過ぎないことを自覚して欲しいものです
投稿: Med_Law | 2010/11/05 19:59
使い分けって、単に、パソコンによって、自動記入される「名前」が違うだけですよ。誰がどうみたって同一人物でしょう。inoue04と井上晃宏なんですから。
>介入試験において、介入の要素を変えれば、結果が変化する
わかってないなあ。介入群と対照群とに分ける基準の話をしているんです。介入の内容の話をしているんじゃありません。
通常は逆ですけれども、たとえば、PSA低値で予後が良いと思われる群にのみ、手術を行った場合は、PSAが強力な予後予想因子であった場合には、介入群の成績がいくら良くても、手術の効果は評価できないし、また、PSAの値をどこへんに設定するかで、介入群と対照群のRRなんていくらでも変わる。
投稿: inoue04 | 2010/11/06 01:28
私の記事の読み方がずれているのかもしれませんが,保護観察の再犯抑止効果が高いと見るよりは,仮釈放すべきかどうかについての更生保護委員会の見立てが的確だからと見ることはできないでしょうか。
「仮釈放をしてもよいか」という判断をする際に,「この人はもう社会に出しても大丈夫だろう。」という判断がかなり的確であって,「まだ社会に出すわけにはいかない」と判断され続けた人が満期釈放になるのだとすれば,再犯率にこれほど有意な差があるのもうなづけると思います。
投稿: DON | 2010/11/14 22:21
DONさん、その仮釈放者が保護観察終了後は再犯率が再び高まるということも記事には書かれていましたので、保護観察の再犯抑止効果が高いという結論になったものです。
おっしゃるような仮釈放の判断が的確だったということも、もちろんそのように言える例がかなりあるのだとは思いますが。
投稿: 町村 | 2010/11/15 05:23
町村先生
なるほど,確かにそう書かれています。
きちんと引用元に当たらないといけませんね,反省です。
刑事弁護人としては,執行猶予中や保護観察中の再犯事例に遭遇する機会が多いもので,つい先入観で読んでしまいました。
統計にもとづくものであれば,説得力がありますね。
投稿: DON | 2010/11/15 16:25