jugement:弁護士報酬1500万円請求して被告欠席なのに700万円のみ認容!
弁護士報酬となると、裁判所が勝手に値切るということであろうか?
東京地判平成22年10月28日
産経新聞ニュースより
判決などによると、堀越学園は平成20年5月、理事選任をめぐる裁判手続きの代理人を原告に依頼したが、着手金435万円を支払っただけで、報酬金を支払わなかった。
堀越学園側は口頭弁論に出席せず、書面も提出しなかったため、阿部裁判官は弁護士側の主張の大部分を認めた上で、「報酬は700万円とするのが適当」とした。
ここにいう堀越学園というのはタレントスクールで有名な堀越ではなく、酒井法子が入学したことで知られる創造学園大学を運営する学園だが、つい先日も偽装申請が露見して文科省から大学設置申請を認めないという処分を受けたことで報道されていた。
それとは別件のお家騒動訴訟に関してのようだ。
しかし弁護士さんは、報酬として1500万円請求し、被告側は書面も出さずに欠席しているのである。
民事訴訟法には、最初の口頭弁論期日に書面も出さずに欠席すれば相手方の言い分をすべて認めたものとする条文がある。
第百五十九条 当事者が口頭弁論において相手方の主張した事実を争うことを明らかにしない場合には、その事実を自白したものとみなす。ただし、弁論の全趣旨により、その事実を争ったものと認めるべきときは、この限りでない。 2 略 3 第一項の規定は、当事者が口頭弁論の期日に出頭しない場合について準用する。ただし、その当事者が公示送達による呼出しを受けたものであるときは、この限りでない。
堀越学園相手に公示送達ということは考えられないので、あり得るとしたら主張自体失当な請求だったとか。根拠もないのに吹っかけたというところであろうか?
確かに着手金額に比べて3倍以上の報酬金は、どういうことでしょうかという感じもする。
それにしても、学校法人からの依頼だというなら、まさか不払いで困ることはないと考えられそうだが、油断も隙もないというところか。
| 固定リンク
「法律・裁判」カテゴリの記事
- JILIS:ブロッキングに関する緊急シンポを聴いて、民事法的なスキームを考える(2018.04.23)
- article:弁護士会照会と情報の保護(2018.04.06)
- Bankruptcy:シェアハウス運営会社の倒産(2018.01.24)
- A.I.使えばなんでも解決するかのような論調(2018.01.18)
- ITの発展と民事手続(2017.12.10)
コメント