« Book:民訴判例百選第4版、ついに出る | トップページ | Book:特商法ハンドブック »

2010/10/07

police:可視化に反対する理由

読売新聞:「一生を台無しにするぞ」任意調べでどなる

府警や関係者によると、男性は、9月3日、取り調べを受けた際、持ち込んだICレコーダーに様子を録音。警部補らが「警察をなめとったらあかんぞ。殴るぞ」「一生を台無しにするぞ」「家族までいったる」などとどなったり、物をたたいたりする音が記録されていた。

なるほど、これでは録画はおろか録音もするわけにはいかないし、都合のいいところだけを録画しておくフリーハンドが必要なわけである。

この事件ではたまたま被疑者のICレコーダーで録音がされたようだが、それも別の報道では消去させるという、大阪地方ではやっているらしい証拠隠滅行為に及んでおり、都合の悪いところは消してごまかしてしまえと言う姿勢が顕著である。

我々の世代にはやったテレビドラマ「太陽に吠えろ」では、取り調べといえば怒鳴ったりするのは当たり前、感情にまかせて被疑者をぶん殴っても特にお咎めがあるわけでもなく、人情話になったりしていた。
そういうものかと思っていると、大学では「そうではないんだよ」と教えられて、それじゃ、あれはテレビの中の作り物かと思いこんでいたら、いやいやどっこい、太陽に吠えろの方が現実だったというわけである。

そして、一応ルールとしてはいけないことになっているから、極力ばれないように、可視化に反対しているというのだから分かりやすい話である。

ちなみに、前田検事の上司が録音録画を求めて最高検がこれを拒んでいるが、検察の取り調べが適正であるという前提が崩れた今、せめてこの取り調べは適正に行いましたという確実な証拠を確保する必要があるのは最高検の方だ。
つまり、佐賀前副部長の弁護人から言われるまでもなく、最高検にとってこそ、適正な取り調べだったことを証明するために取り調べ過程を全部録画しておくのが得策である。そうでないと、「最高検をなめとったらあかんぞ、殴るぞ」「一生を台無しにするぞ」「家族までいったる」などとどなったり、物をたたいたりされましたという弁解が後で出てきたときに、「そんなことしないよ」と口先だけで言っても、物証を偽造しちゃう検察がどの口で言うのかということになりそうである。

ただし、裁判官がそのように思うかどうかは別の話。

|

« Book:民訴判例百選第4版、ついに出る | トップページ | Book:特商法ハンドブック »

ニュース」カテゴリの記事

コメント

この事件でも、お巡りさんは、録音を消させてます。

ただ、消したデータがゴミ箱にあったので、そこから戻したという経緯だったりします。

投稿: Toshimitsu Dan | 2010/10/07 16:41

可愛い消去のやり方ですね。フォレンジックツールも必要がないということで。

投稿: 町村 | 2010/10/07 16:47

http://www.ytv.co.jp/press/y-movie/movie.cgi?movie=101007noon01.300k

取調の状況は少し出ています。
大阪特有の巻き舌口調だったりします。

全部で3時間なので、聞き返すのが大変でした。

投稿: Toshimitsu Dan | 2010/10/07 17:01

こうやって激しい言葉で追い込みをかけることによって,被疑者との信頼関係を構築していくのです(笑)。

投稿: h | 2010/10/07 18:24

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/31412/49673558

この記事へのトラックバック一覧です: police:可視化に反対する理由:

« Book:民訴判例百選第4版、ついに出る | トップページ | Book:特商法ハンドブック »