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2010/09/26

jftc:橋梁談合事件の審決

公正取引委員会は、略称に「日本」を入れているようだ。
その、日本公正取引委員会が談合を認定した審決を発表している。

株式会社ピーエス三菱ほか10社に対する審判審決について
(国土交通省関東地方整備局が発注するプレストレスト・コンクリートによる
橋梁の新設工事の入札談合)PDF

21社もの橋梁建設に関する業者がも平成13年4月1日以降,平成16年3月31日まで談合を繰り返していたとして勧告を受け、これに不服を申し立てたのが20社。うち1社は別の1社に吸収合併され、8社は同意審決を受けたため、今回の審決の対象は11社であった。

さらにそのうち、SMCコンクリートは違反行為があったとは認められないとし、常磐興産ピーシー及びKCKは違反行為をしていたけれどももうやめていると認定し排除措置は命じていない。

残る8社(株式会社ピーエス三菱、更生会社オリエンタル白石株式会社、三井住友建設株式会社、株式会社富士ピー・エス、ドーピー建設工業株式会社、極東興和株式会社、前田製管株式会社、機動建設工業株式会社)は,「関東PCクラブ」又は「S会」と称する組織を作って談合を繰り返して継続してるとして、その廃止を命じられている。
その主文概要は、適格消費者団体が不当条項や不実表示などの差止訴訟を提起する上でも参考となるように思われるので、以下に引用しよう。

ア (前略)被審人8社(以下「被審人8社」という。)は,前記(1)の行為を取りやめている旨を確認することを取締役会等の業務執行機関において決議しなければならない
イ 被審人8社は,前記アに基づいて採った措置及び今後,前記(1)の行為と同様の行為を行わず,各社がそれぞれ自主的に受注活動を行う旨を,被審人8社のうち自社を除く7社及び別紙2記載の事業者並びに国土交通省関東地方整備局に通知し,かつ,自社の従業員に周知徹底しなければならない。
ウ 被審人8社は,「関東PCクラブ」又は「S会」と称する組織(以下「本件組織」という。)への参加を取りやめる旨を,被審人8社のうち自社を除く7社及び別紙2記載の事業者に通知しなければならない。
エ 被審人8社は,今後,前記(1)の行為と同様の行為を行ってはならない。
オ 被審人8社は,今後,前記(1)の行為と同様の行為を行わないよう,プレストレスト・コンクリート工事の営業担当者に対する独占禁止法に関する研修,法務担当者による定期的な監査等を行うために必要な措置を講じなければならない。

このうち、ア、イやオの根拠となっているのは独禁法49条の「違反行為が排除されたことを確保するために必要な措置」というものである。
オは、民事裁判でこれを命じても、なかなか執行が出来る程度に特定されているかどうか疑問があるが、イは特定され、代替執行すら可能かもしれない。オは何をもって必要な措置かが執行機関に明確にならないので、間接強制すら難しいかもしれない。

しかし、間接強制の授権決定の中で、具体的な措置についての特定をすれば足りるという考え方もないではないし、判決で明確にしなければならないとすれば、そのための一種のガイドラインを政令で定めておくという手もある。

いずれにしても、公正取引委員会の排除措置命令は、団体訴訟の活性化のための良き手本である。

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