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2010/08/29

jugement:銀行の投信販売に説明義務違反が認められた事例

jugement:銀行の投信販売に説明義務違反が認められた事例

大阪の例である。

産経新聞:投信販売で銀行の説明義務違反を認定、初の賠償命令 大阪地裁

株価が一定水準を割り込むと損失が出るデリバティブ(金融派生商品)の「ノックイン型投資信託」をめぐり、販売時に十分な説明を行わなかったとして、大阪府豊中市の女性(81)が池田銀行(現・池田泉州銀行)に約1700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が26日、大阪地裁であった。小西義博裁判長は銀行側の説明義務違反を認定、約220万円の支払いを命じた。  原告側代理人の田端聡弁護士によると、銀行が販売した投資信託で顧客が勝訴するのは初めてという。  判決は「高齢者が商品内容を理解することは容易ではない。元本割れのリスクも相当あった」と指摘。販売時の同行の対応について「投資信託の危険性を理解できる程度の説明をしたとは認められない」と違法性を認定した。

このノックイン投信というのは、日経平均株価が一定水準を下回らない場合には元本保証をするという点で、リスク軽減型投信と呼ばれる。

ところが、国民生活センターには2009年1月8日時点で下記のような発表がなされている。

ローリスクと勧誘されたが、想定外に大きく元本割れする可能性が生じた「ノックイン型投資信託」

その発表に現れた顧客に対する勧誘と説明状況は、以下のようにまとめられている。

目論見書とパンフレットを交付され、それに沿って説明を受けた。日経平均株価の動きに応じて償還価格が決定される公社債を投資対象とするファンドであることは理解できた。株価がワンタッチ水準(ノックイン価格=当初株価のマイナス35%)を超えて下落した場合、元本割れするようなので、「日経平均が35%も下がることはないですよね」と担当者に尋ねたところ、担当者は「絶対とは言えないが、私もそう思います」「株価はあくまで参照。この商品は株ではなく、債券で運用します」という答えだった。「債券で運用するのなら、株と違って値動きが小さくて安心ですね」とさらに尋ねると、「そうですね」という答えが返ってきた。投資対象の債券は、円建てのユーロ債で為替リスクがないこともあり、500万円分を購入することにした。

ところがその後、リーマンショックが起こってしまったのである。

リスク軽減型というのは、確かに債券価格のレベルでは一定の株価水準を保つことを条件にリスクが抑えられているが、その条件が脆いものであることを表現していない点で欺瞞的な表現だ。ノックイン投信という名前の方がまだましである。

で、こうしたリスクをきちんと説明しない投資信託について、説明義務違反と評価されるのは当然だが、そのことを裁判所に認めさせるのもまた大変である。
上記大阪地裁判決の原告は、81歳の高齢者であるのに対し、国セン発表にある勧誘の投資家は50代男性。その違いは、説得力という点で大きいであろう。

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