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2010/07/05

NET選挙利用の効果はある?

BLOGOSというブログ再録メディアともいうべきサイトにmatimulogも再録を承諾している関係で、よく見に行っているのだが、玉石混淆のブログ記事にも確かに読むべきブログが見つかるという機能を果たしている。
そんな中で、最近の選挙関連で興味深いエントリが次の二つだ。

H-Yamaguchi.net:ネット選挙運動の「事実上」
ある広告人の告白(あるいは愚痴かもね):なぜ選挙ポスターはみんな同じなのか

(どちらもたまたまココログだ。)

前者は、今、参議院選挙の最中に、ツイッター上で選挙や政治に関する情報発信がどこまで行われているかということを実証的に調査してまとめてくれたもので、選挙との直接の関係の有無とか候補者・政党か一般人かとかで、カテゴリーに分けて紹介している。しかし、結局のところ、そのようなカテゴリーわけが無意味な程度に、普通に選挙関連・政治関連のツイートは普通に行われているのだ。
その極端なケースは、「○○党に投票しよう」「投票するな」のような、具体的に党名、候補者名を挙げて投票を呼び掛ける、あるいは投票しないことを呼び掛ける発言だが、山口さんによれば、これらも普通に見かけたというのである。
その上で感想として、事実上行われている選挙向け情報発信について、以下のように指摘している。

政治家の方々は、「○○党に投票しよう」「投票するな」のような、直接的な呼び掛けがネットでなされることへの警戒感をお持ちなのかもしれないが、それは、ネットでの言説のあり方をあまり理解しておられないのではないかとも思う。直接的な、押しつけがましい言論は、ネットではかなり割り引かれる、というか、かえって逆効果になることが少なくない。上に書いたような、ここに紹介してないちょっとヤバめのツイートも、読んでて正直うんざりするという以外ない。こういう感想を持つのは、おそらく自分だけではないと思う。もう少し、国民を信用してもらってよいのではないかな。

確かに選挙運動丸出しツイートを見かければ、反射的に、「はぁ、何こいつ」と思わないでもない。横丁のグーグルストビュー車も入り込まないようなところに選挙カーが入り込んで候補者名を連呼し始めたのを目の当たりにした時の、あの感覚である。

しかし、上記の下段に紹介したエントリを先に読んでいた私は、そうはいってもなぁと思わざるを得なかった。

池本孝慈というブログ主によれば、選挙ポスターがなぜ画一的なのかをとっかかりに、選挙運動の手法が結局最も人を引きつける、候補者に対する投票行動を喚起しやすい手法だからとられているというのだ。

その中で紹介されている所さんの目がテンの孫紹介となるが、連呼の効果も以下のような実験で実証されていた。

事前に名前を連呼でアナウンスしていたアイスコーヒーを最もおいしいアイスコーヒーと選ぶ人が圧倒的。じつは、用意された複数のアイスコーヒーはどれも同じなんですが、名前を連呼されると親しみが生まれるんですよね。知っているというのは、すごい力なんです。たかが名前なのにね。

そうだとすると、ツイッターのTL上で良く見かける名前は、やはり選挙で有利に働くということになりやすい。まあ商品宣伝と同様に「売らんかな」的態度丸出しで連呼されれば、うんざりもするのだが、それでもないよりはマシだ。

となれば、陣営が手分けして、あるいはボランティアも動員して、ソーシャルメディアが投票呼びかけに席巻される日も近いだろうなと。

概して、ネット選挙「解禁」を訴えかける場合、選挙カーの連呼や電話勧誘、そしてサッカーワールドカップに挟み込まれる暑苦しい顔などよりも、より迷惑のかからない方法として情報発信を行い、我々有権者は好きなときに好きな情報(選挙候補者の主張とかも)を入手できる環境となり、また有権者自身も自由に自分の政治的な見解を公表することができる、それに過剰な萎縮効果が生じることもないと、そういう社会を想定している。
ところが、暑苦しい顔がどのサイトに行っても動画で動き出し、ひどい場合はイントロフラッシュで○○党に投票よろしくと連呼されたりして、またツイッターでもやたらと選挙目当てのツイートがTLを占有し、mixiもそんなメッセージばっかりとなり、そして連日迷惑メールの数よりも投票依頼メールの数の方が多くなると、そんな社会が実現するのはイヤだ。

そういうわけで、現在の無法地帯に萎縮効果で波を押さえている状態を早急に反省し、プル型の情報発信はすべて自由、プッシュ型の情報発信は選挙運動としては禁止するというような法規制を導入すべきだ。
プッシュ型に属するかどうか疑問だが、ツイッターのようなものは、五月蠅くなればフォローを外したりブロックしたりということが可能だから、自由の方に入れてもよい。しかしメールは、迷惑メールの思い出があるのだから、オプトイン規制を最初から敷いておくべきであろう。
サイト上の広告も、五月蠅いのはイヤだなぁと思いつつも、まあ受忍限度内であろうか。

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