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2010/07/15

JAL:更生計画は果たして認可されるか?

JALの倒産処理はますます混迷している模様だ。

毎日jp:日航:融資再開の結論先送り 更生計画提出後に

日航は債務超過額が当初見込みから膨らんだのを受け、金融機関への債権放棄要請額を約500億円上積みして総額4000億円規模とするとともに、つなぎ融資の借り換えや運転資金に必要な3600億円の融資を再開するよう銀行団に要請。銀行団は「債権放棄を受けた会社への安易な融資は、株主や預金者の理解を得られない」(メガバンク幹部)と反発し、交渉は難航している。

 このため日航と支援機構は債権放棄の同意取り付けが最優先と判断。融資再開の議論は切り離し、今秋に想定する更生計画認可後まで結論を先延ばしする方針に転じた。支援機構と日本政策投資銀行による6000億円の融資枠があるため、当面は資金繰りへの影響も限定的と見られる。

更生計画は、その認可後の数年から10年前後までかけて、どのように会社を経営しつつ再建していくのかを示すものであり、それによって会社が再建される見込みがなければ認可はされない。

ところが、上記記事によれば会社再建に必要な資金計画の一部を未確定の状態にして、計画を立てて裁判所に提出しようとしているらしい。しかも、つなぎ融資の借り換えとか運転資金に必要な金員の調達であるから、経常経費の資金繰りすら道筋をつけられない更生計画となるようである。

他方で労働組合に乗務員の賃金カット、手当廃止を提案しているというが、当の従業員にとっては大変な話でも、倒産企業の従業員の待遇ということを考えたら、ちょっと牧歌的な印象も拭えない。

さりとてぎりぎりのところで苦闘しているかというと、管財人(=機構)と稲盛会長(=本人はご意見番のつもり)と日航プロバーの経営陣(=指示待ちの立場)とで、再建のイニシアティブを誰も取らない、取れない状態で進んでいるという報道もある。実際、稲盛会長が陣頭指揮をとってグイグイ進めていくのかと思ったら、そんな姿は全く見えない。

本当に大丈夫なのかと心配になる。

拓銀倒産の時のシナリオを思い出してみると、従前のしがらみにどっぷり使った経営者が再建のメスを入れられるはずもなく、慌てた大蔵省がなんとかして第二位の道銀と合併させようとしたが道銀から断られ、結局地元の相互銀行の一つに事業譲渡して、本体は事実上の清算となった。
JALが拓銀の二の舞を演じることになるのかどうか、この夏から秋にかけては正念場だと思うが、経常経費の資金計画すら先送りにしているところを見ると、スカイマークあたりに事業譲渡して清算という最悪のシナリオも否定出来ない。

いつものおまけ:赤字続きで無配となっている全日本空輸も、破綻するまで再建の努力はしないつもりだろうか? 大規模なリストラや徹底したコスト削減努力をしているようには見えないが。赤字ローカル路線はすべて、ローコストキャリア的な運用に切り替えてはどうか? 数十人の乗客のためにジャンボを飛ばしたりブリッジ使ったりするのは止めてはどうか?

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