ネット利用選挙の "de facto" 「解禁」
私の立場はハッキリしている。現行公職選挙法はインターネットを利用したデジタルデータの配信を対象とする規定をおいてない。ましてや候補者や政党以外の一般市民が選挙期間中の内外を問わず、政治的言論を規制されるいわれはない。仮に規制すれば、それは表現の自由の侵害立法であり、必要最小限の、明白かつ現在の危険を避ける限度でのみ許されるのであって、解釈上の規制などは考えられない。
もともと規制がないのだから、表題の「解禁」は本来おかしいので、あえてカギ括弧をつけたが、モニターに表示される文章が「文書図画」にあたるというキテレツ解釈の周辺で、一切の選挙関連発言もネット上では許さないという萎縮効果が次第に緩んできているようだ。
まずは、政党のページの情報発信。
インターネット上に陣営幹部や党本部などが、候補者の街頭演説の予定や、党幹部の遊説日程などを掲載する動きが広がっている。
これに対して総務省は、「選挙活動と政治活動の線引きは明確ではなく、直ちに違法とは言えない」といっているそうだ。
実際のページは、自民党の谷垣総裁遊説日程のページとか、民主党を斬るのページとか、なんとなくおそるおそるという感じは否めないが、一応7月にも選挙関連の情報を更新している。
民主党の党活動ページも、党役員の活動日程とか閉塞感に覆われた日本を元気に 新庄駅前で枝野幹事長が街宣とか。街宣内容としては、モニター上で20行にわたって演説内容が書き起こされており、まさにモニター上に選挙ビラにありそうな「文書図画」が現れている状態となっている。
その他の政党は省略。
上記記事によれば、ツイッターによる選挙関連情報発信も行われている。
「今日1日、参院選候補と活動します。夕刻には首相夫人も応援に入る予定」。簡易投稿サイト「ツイッター」にそう書き込んだのは、民主党の新人候補の陣営幹部を務める大西健介衆院議員(39)。大西氏は選挙期間中、自らの活動とともに、候補の予定などについても「つぶやき」を続ける。「候補以外の者までネット更新を自粛するのは不自然」と話す。 自民党の現職候補らを支援する柴山昌彦衆院議員(44)もツイッターで同様の発信をする。「投票の呼びかけなど、選挙応援と受け止められる言葉は使っていない」という。
まだ、言い訳がましくオドオドした感じが現れているが、実質的には選挙運動をネット上でやっているわけである。
この現状、各党は「選挙活動ではなく通常の政治活動の範囲内」とするらしいが、通常の政治活動の範囲内であることは言えても、それは同時に選挙活動に他ならないのである。
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コメント
>通常の政治活動の範囲内であることは言えても、
>それは同時に選挙活動に他ならないのである。
それを言っちゃあ・・・・(^_^;)
選挙でものすごく利くのが、「自動車」であります。
いわゆる「選挙カー」は、一台しか使えないのですが、政治活動自動車が使えるわけですよ。
だから、公認候補だと党車というが回ってきます。
そうでなくても、自前の政治団体を持っていれば、それは使える。
簡単に言えば、無所属だと1台、公認だと2台。
となるわけですから、これは選挙の公平という観点からは、新人にはえらく高いハードルになります。
まあ、当事者としては「それなり努力しているだから、新人とは違う」と言いたいところはありますが。
投稿: 酔うぞ | 2010/07/04 11:11