« news:頼りにならない大臣 | トップページ | mayor:専決処分? »

2010/06/19

JAL:打ち出の小槌をもった倒産企業

毎日jp:日本航空:1000億円超の追加金融支援を要請へ

1000億円単位でずるずると金を引き出せるのなら、倒産企業の再建も楽なものだと言わざるを得ない。

金が足りなければ、給料を下げるとか、コストカットを徹底するのがスジというものだ。
そのような余地もついえて、更生手続の開始後に当初の再建見込みが無くなったということなら、次のような条文も用意されている。

(更生が困難な場合の更生手続廃止) 第二百三十六条  次の各号のいずれかに該当する場合には、裁判所は、職権で、更生手続廃止の決定をしなければならない。 一  決議に付するに足りる更生計画案の作成の見込みがないことが明らかになったとき。 (二号以下略)

日本航空がなくなることは想像だに出来ないと思って、日航の経営陣が「どうせ誰か助けてくれる、助けざるを得ないはず」と思っているのだとすれば、極めて甘い。

北海道民は、最後の最後まで拓銀が潰れるはずはないと思っていたし、道銀との合併交渉過程でもまだ拓銀の行員たちは「助けてもらう」という意識もなかった。その結果、破綻→事業のみ譲渡し本体は消滅という憂き目にあった。
この故事を日航に当てはめると、法的倒産処理手続で金融機関の支援を仰ぐときも、どうせ潰されることはないからと居丈高に出ていくと、Noと言われ、破綻→事業のみスカイマークか何かに譲渡し本体は消滅、基幹路線とその維持に必要な人員以外はすべて整理・解雇ということも想像される。

そうなっても、1000億円もの金をずるずると引き出されるよりはマシかもしれない。

|

« news:頼りにならない大臣 | トップページ | mayor:専決処分? »

生活雑感」カテゴリの記事

コメント

JALも凄いですが、さらに上手なのは米国のフレディマックとファニーメイ。期限付ではありますが、上限無しの赤字補填。本来なら国営化したいのだけど、その場合アメリカ政府の財政赤字が一気にGDPの1.5倍にまで達するとか…。

投稿: passenger | 2010/06/19 20:04

規模は小さいけど、日本でも新生銀行かあおぞら銀行は、買い取った債権が焦げ付いたら国に補填を求められるという条項を行使して有名となりましたね。
とにかく、倒産の影響の大きさにおびえる国は、格好のカツアゲ対象となってしまうわけです。

投稿: 町村 | 2010/06/19 20:16

やっと手入れが入った金融庁公認籠抜け詐欺の処理も相当額かかるでしょうね。
JAL並みまではいかないとしてもあそこは初めからペイオフ前提に高利で預金をかき集めてましたから史上最悪クラスの凶悪さです。

投稿: passenger | 2010/06/19 21:57

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: JAL:打ち出の小槌をもった倒産企業:

« news:頼りにならない大臣 | トップページ | mayor:専決処分? »