Bar-exam:大々問方式の終焉
新司法試験の新機軸として、実務で使われる知識とスキルを試そうという理念から、実体法と手続法の両方が含まれた融合問題を出そうということが言われていた。
その結果生まれたのが、いわゆる大々問方式で、民法と民事訴訟法、商法と民事訴訟法、さらには民法と商法とのそれぞれの問題点が含まれた大きな問題を出すという方式であった。
既に川村先生のブログで触れられているが、この方式は、最終的に放棄されることとなったようである。
e-gov:平成23年新司法試験の実施日程等に関する意見募集の実施について
ここでパブコメに付されているのは、大々問を廃止し、民法、商法、民事訴訟法の各大問をそれぞれ2時間で問うというものである。
結局のところ、試験で問うべき論点が色々あるのに、大々問方式をとることの制約から必要な論点を出題できないのは欠陥だという意見が通ったのであろう。
理念先行型の法曹養成制度改革が、理念倒れでしたと自白した瞬間というわけだ。
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コメント
誰が大々問でやろうと言い出したのでしょうか。誰がそれに賛成したのでしょうか。それに反対した人はいたのでしょうか。そういうことを明らかにしていかないと、またなんとなくで前に進みそうですね。
投稿: ゆうき | 2010/06/19 14:25
大々問といいながら、結局前半と後半で随分展開が変わるあの構成はなんとかならなかったのか…。
どこが融合だ!と。
投稿: そもそも | 2010/06/19 16:55
そうなんですか...
何も知らずに法科大学院をさまようファントムなんで
大々問形式が評判が悪いとは知らずに
それに向けてなるべく隣接分野の話も授業に盛り込むようにしてました...
ちょうど、今年から自分の分野の優秀な裁判官の先生が
いらしているので
単位式の正式授業とまではいかなくとも
一緒に1回か2回の特別授業みたいのをやったほうがいいのではとか
考えていたのですが
完全に杞憂のようですね
投稿: 故元助手A.T. | 2010/06/21 02:33
要は選抜なわけで・・・。
どういうソフィストケーションも大したことないと思ってます・・・・。
投稿: bamboo | 2010/06/21 02:55