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2010/05/17

kamei平成徳政令の効果

毎日jp:返済猶予申請:8万件超で3兆円以上に 大手銀8グループ

 三菱東京UFJ、みずほ、三井住友など大手銀行8グループの13行が3月末までに受け付けた返済条件緩和の申請件数が計約8万3000件だったことが17日、分かった。貸出総額は約3兆6000億円に上る。金融庁は「条件変更の実行率は9割を超えているもよう」としており、金融機関は申請の大半を認めている。

ごく最近、返済猶予は実行されていないという話を聞かされたが、この記事はそれと相反する内容である。

申請があったが条件変更を拒否した件数は計約1400件で、全体の2%以下。協議継続中のまま申請から3カ月以内に条件変更が実施されなかったために統計上、拒否に分類された件数も含まれており、実際にはさらに少数とみられる。

法の実効性の手法は、監督官庁が睨みを利かせて民間企業の経営判断を一定方向に向かわせるというものであり、決してほめられたものではない。公正さの保障はないのである。
しかし、これによって企業倒産が減少したことは事実として認めざるを得ない。

問題はその後で、果たして一時的猶予により立ち直れるのかどうか、立ち直った企業が多数なのか、それとも問題先送りに過ぎなかったのか、場合によっては財産隠しの時間的余裕を与えるだけだったのか、そのあたりの予後を勘案して評価が定まることになる。

ちなみに、潰れかけている新生銀行・あおぞら銀行は、中小企業向け融資が少なく、この制度により猶予した件数も100件とか40件とか、ごくわずかにとどまっているので、この制度で銀行経営が傾いたという例にはならなくて済みそうだ。

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コメント

あおぞら銀行は、10年3月期で黒字転換をしているので、つぶれかけては居ないかと。

返済猶予に関しては、政府の中小企業緊急融資保証枠が20兆あったわけですから、4兆程度の猶予は、効果と必要性の検証が必要ではないかと思います。正直、余り意味ある政策ではないように思いますが・・・

投稿: こう | 2010/05/17 23:04

あおぞら銀行ごめんなさい。

投稿: 町村 | 2010/05/18 13:14

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