« article:両用ツール開発と法的責任 | トップページ | 月刊iWord休刊 »

2010/04/05

日経電子版は個別記事へのlinkを禁止

リンクを設定するかどうかは、別にリンクされる側がコントロールできる権利に関係しないので、リンク条件の設定というのは法的には全く無意味である。
ただ、好悪の感情を示しているに過ぎない。

そういう意味で、特に大騒ぎをする必要のあることでもないともいえるが、コンテンツをネット上にアップした人が、リンクされるかどうかをコントロールできると考えている点で無知をさらけ出しているようなので、特に取り上げてみよう。

リンクポリシー 「日本経済新聞 電子版」のフロントページや専門サイトのトップページへのリンクは原則として自由ですが、リンクを張る場合は、リンク先のページとURL、リンク元のホームページの内容とURL、リンクの目的などを記載してお問い合わせページでご連絡ください。

リンクの仕方やページの内容によっては、お断りする場合があります。リンクをお断りするのは次の場合です。

・営利目的や勧誘を目的とするなど、「日本経済新聞 電子版」の趣旨に合わないホームページからのリンク
・「日本経済新聞 電子版」のコンテンツがリンク元のホームページの一部に見えるような形のリンク(フレームの中にコンテンツを取り込むような形のリンクなど)
・日本経済新聞社の事業に支障をきたす恐れがあるリンク
・個別記事へのリンク

リンクを張る場合には、「日本経済新聞 電子版」へのリンクだとはっきりと分かる表現・記述をしてください。ただし、「日本経済新聞 電子版」のロゴマークはリンクボタンとして使わないでください。

以上の項目に違反した場合は、損害賠償を請求することがあります。

特に評判が悪いのが、「個別記事へのリンク」というもので、いわゆるディープリンク禁止、あるいは直リン禁止という条項だ。
確かにどういうリンクの仕方をされたいかは、コンテンツを発表した人がそれぞれの好みにより決めればよいことなのだ。しかしその好みを、他人に強制できると考えるのは、傲慢であろう。
傲慢さの表れでなければ、何らかの権利があると考えているのかもしれない。そうでなければ、「以上の項目に違反した場合は、損害賠償・・・」との文言も理解できない。個別記事へのリンクが何かの権利か法的に保護されるべき利益を侵害しているのでなければ、一般的には損害賠償請求権など発生しないからである。

ただし、日経電子版の購読は、個別に契約をしなければならない。上記リンクポリシーが契約条件を構成するものであるならば、契約違反とはなるであろう。

すると残された問題は、ディープリンク禁止違反によりどのような損害が発生するのかということだ。
通常は、何らの損害も発生しないように思われるがどうであろうか?

いずれにしても、日経にリンクを張るには、例えトップページに対しても事前に問い合わせをしなければならないということなので、さっそくお問い合わせページからリンク許可を求めてみた。どういう返事が返ってくるかは、またこのエントリで追記したい。

|

« article:両用ツール開発と法的責任 | トップページ | 月刊iWord休刊 »

パソコン・インターネット」カテゴリの記事

コメント

ご存知かもしれませんが、WWW黎明期には、Webの管理者が、そのページへのリンクを許可する習慣がありました。「リンクフリーです」と書かれているページが珍しくないのは、その名残です。
しかし、その習慣そのものが非合理的であると私は考えていましたし、実際、「リンクの許可」なるものが有効に機能していたことはなかったと思います。許可しようがしまいが、リンクしたい人は勝手にhrefタグを書きますので。

投稿: 井上晃宏 | 2010/04/05 18:51

とりあえず、日経は読まなくなりました。
その内、ブックマークから削除かも。

投稿: 酔うぞ | 2010/04/05 23:35

最近ブログを始めたのでディープリンクがどうのうこうのというのは気になるお話です。
残念ながら日経のニュースはメインに見てないかな。

投稿: ほめぞう | 2010/04/06 04:15

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 日経電子版は個別記事へのlinkを禁止:

« article:両用ツール開発と法的責任 | トップページ | 月刊iWord休刊 »