law:外国法制度で遊ぶ--中国の言論の自由?
日本の法律だけでも頭が痛いのに、外国の法制度なんて調べて何になる?と思われそうだが、外国の法制度はびっくりするやら感心するやらで興味深い。
NHKが児玉清を担ぎ出して、世界びっくり旅行社なる番組で、外国のおもしろ法律・意外な法律のクイズ番組をやっていて、結構人気があったのも、やはり外国法は面白いのである。
さて、アマゾンで外国法の本のランクには、色々興味深い本が並んでいる。現在のところトップは実践的eディスカバリ―米国民事訴訟に備えるだが、これはまあ出たばかりだからだろう。あるいはアメリカで訴訟に巻き込まれているトヨタの運命を知るには、必須文献ということなのかもしれない。
他に面白そうな本に、次のようなものがある。
かのギョウザ事件犯人が捕まったというニュースに触れても、中国の情報統制ぶりがうかがい知れるというものだが、昨今のグーグル撤退騒動でも中国には言論の自由はないということが浮き彫りにされた。
その常識を上記の本は覆すものなのか、それともああやっぱりとなるものなのか、正確な知識を得られるものなのか?
是非買って読んでみたい。
さて、日本でも言論には様々なタブーがある。言葉狩り的なタブーは差別の温存・隠蔽だが、天皇制タブーのように日本人の心性に関わるものもある。
それに比べると、根は深いし解消の糸口すら見いだせないが、かなり浅薄な感じのタブーとなりつつあるのが電子出版タブーだ。
出版社が早くも規格統一を御旗にカルテル団体立ち上げに走り、政府(というより官僚)がこれに荷担をするという構図だ。
KindleやiPadを媒体にする電子出版企画は、統一規格に合わないとしてボイコットしよう、そうやって出版社のマージンを損なわないようにしようという意図が透けて見える動きだが、当然、カオスの中で様々な規格が乱立し、デファクトスタンダードをつかんだ者がウイナーテイクオールとなるのは我慢ならないので、官製談合に走っているわけだ。
そうなると、アウトローを排斥しなければならないし、黒船が勝ちそうな未来を礼賛するのは裏切り者ということになり、言論もタブーが生まれる。
週刊ダイヤモンドという雑誌の電子出版特集が没になったのは、そんなタブー化の現れであろう。この件については池田信夫氏のブログ記事が詳しい。
この件については、
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コメント
う~む・・・・
電子出版で技術的には先進国であった日本で、なぜ商業的にスタートできなかったのか?は、わたしの考えでは商慣行の問題です。
商慣行としましたが、果たして近代的な商業取引なのか?というところで疑問です。
その結果、出版社の清算が極めて難しい。
それ以前に、倒産すら簡単には出来ない。
それでも、ナアナアで成り立ってきたのは、出版業界が一丸となって「日本ルール」でやってきたからでしょう。
そこには「海外の出版社や書店が日本で商売できるわけがない」といった判断があったからでしょう。
ところが、アマゾンのキンドルはそれをぶち破ってしまった。
これこそが最大の問題であって、なんとか「日本ルールでいけないものか?」とやっているのだろうと想像しています。
投稿: 酔うぞ | 2010/03/28 13:06