IP:商標権の差押え・公売
残念ながら民事執行の話ではないが、東京都の公売で商標権が高く売れたという話である。
asahi.com「着メロ」商標権2550万円 都の公売で落札
「着メロ」の商標権はもともと、PHS事業者の旧アステル東京が登録。その後、東京都内の通信事業会社が2002年に引き継いだが、業績が悪化し、商標権は都税の滞納により差し押さえられた。商標権は2件あり、携帯電話や紙媒体の広告など、ほぼすべての使用分野をカバーしている。都は今月5日から入札をスタートした。最初は低調だったが、締め切り間近の8日正午すぎになって価格が高騰。ゲームソフトメーカー「ビジュアルアーツ」(大阪市)が1600万円と950万円で双方を落札した。
着メロという言葉を用いている企業は沢山あるので、商標権をたてにこれから攻勢をかけるのかと思われるが、そこは日本的な不思議なビジネス感覚で「すでに『着メロ』はユーザーに浸透しており、今さらの使用料の有料化は現実的でない」などといっているらしい。
それはともかく、商標権も立派な財産権であることを如実に示す一例だ。この商標権を担保に融資を受けるということも考えられる。もっとも、使用料を取り立てないのであれば、ほとんど価値はなく、田んぼにもならないのだが。
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コメント
通常使用権が設定されているみたいです。「使用料の有料化は現実的ではない」とすると、これも無料にするのでしょうか。何のために買ったのか…?
「ユーザに浸透している」というのも、普通名称として浸透していたら、26条1項2号または3号で、権利行使もできないわけで、何のために買ったのか…??
「権利を持つことで企業価値向上」って使用しないと50条で取り消される可能性があるわけで、何のために買ったのか…???
投稿: eg | 2010/03/09 19:05