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2010/03/15

court:法廷における関西弁の機能

これは面白そう。
asahi.com:追及・懐柔…法廷での関西弁、戦略的でっせ 先生が論文

身近な関西弁が、法廷では、検察官や弁護士が被告や証人を懐柔したり攻撃したりする目的で使われている。京都教育大付属高校(京都市伏見区)の国語科教諭の札埜和男(ふだの・かずお)さん(47)がこんな研究結果を論文にまとめ、大阪大学で文学博士号をとった。逆に、被告や証人は自由に関西弁を使えていない傾向が見られたという。

 研究は2004年、前任校の生徒らと大阪地裁を見学に行き、裁判を傍聴した後、説明役の裁判官から「法廷は人の一生を左右する場で、方言はふさわしくない」と言われたことに疑問を抱いて始めた。06〜08年、同地裁を中心に73件の裁判を傍聴。京都地裁などの裁判記録や、34人の司法関係者、原告らへのインタビューを重ね、「法廷における方言」と題し、関西弁の機能を中心テーマにまとめた。

ちゃんと相手によって使い分けたりしているし、それが結構計画的だったりするところは、立派な法廷プレゼン術である。

裁判員制度導入にアメリカ人講師を招いて法廷プレゼン術を学んだというニュースがあったが、日本の法廷でもただ書面朗読で機械的に進行するだけではなく、それなりに、口頭での弁論が機能しているということの証左だ。

なおこの札埜さんという方は、日本笑い学会の理事も務めておられる。
http://www.age.ne.jp/x/warai/profile/profile.html

この学会の機関誌「笑い学研究」16号には、法廷とユーモア(札埜和男)という研究会発表記録も掲載されているようなので、いずれ上記博士論文も公刊されるに違いない。

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コメント

札埜先生といえば、日弁連主催の高校生模擬裁判選手権の京都教育大学付属高校を指導されて、この3年間無敗という記録を打ち立てておられます。
京都教育大付属のプレゼンや尋問は、なかなか熱いですよ。

投稿: てんぐ | 2010/03/15 21:24

ほお、そんなに有名な方だったのですね。
機会があったら一度見てみたいものです。

投稿: 町村 | 2010/03/16 09:18

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