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2009/12/23

speech:天皇が裁判員制度に言及

76歳のお誕生日に当たっての「感想」で、以下のように裁判員制度について言及された。

今年の夏から、裁判員制度が実施されるようになりました。かつて昭和初期に我が国でも短期間陪審制度が行われたことは、戦後間もないころ、当時の穂積東宮大夫、後の最高裁判所判事から聞いたことがあります。しかし、この制度は日本にはなじまなかったということでした。この度の制度は、以前の陪審制度とは異なり、裁判官と一般の人が共に裁判に参加するという制度であり、今後の様子を期待を込めて見守りたいと思います。

期待されている裁判員制度の現状はいかに?

このことにも関係するが、天皇の憲法上の地位は誠に危うく微妙なバランスの上に維持されていると言うことが、先の小沢・羽毛田対立と中国副主席への会見問題で如実に示された。

国事行為の範囲とか言う下らないことを別にしても、天皇の行為が政治的な影響を及ぼすことは否定できない事実だ。上記の発言ですら、裁判員制度反対を叫んでいる人々にとっては不満なことに違いない。
それを憲法は内閣の助言と承認ということで民主的コントロールの下におこうということにしているのだから、これは政治的な判断に委ねると言うことに外ならず、時の政権に利用される可能性は開かれている。
しかし、他方で政治的に利用しないと言うこともまた否定しがたい原理であり、戦前の天皇の名において行われた数々の所業を思い出しても、またちょっと想像力を働かせてみても、天皇の意思とか天皇のためにとかいうことで問答無用の状況を作り出してしまうのは、民主主義に反する。

小沢一郎幹事長の今回の言動には、微妙なバランスの上で維持されていることへの配慮がなく、その点で批判に値するというべきだ。
羽毛田長官はまあ、官僚なのだから、ルールに従うのが職責だし、ルールは尊重されるべきだと発言することも当然あり得るし、また政治的にルールが変えられれば、それにも従うと、それ以上のものではない。

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