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2009/12/20

jugement:グーグルブックス差止判決

フランスの話である。
Nikkei net IT Plus:グーグルの書籍電子化に中止命令 仏地裁、賠償も

グーグル側に権利者の許諾のない電子化の中止と30万ユーロ(約3900万円)の損害賠償支払いを命じた。

より詳しいのは、昨日のル・モンド記事Livre numérique : la justice française donne raison aux éditeurs face à Google

判決はパリ大審裁判所であり、差し止めと30万ユーロの賠償を命じているが、差し止めについては1ヶ月以内に、著者および出版社の許可のないデジタル化と配信とを中止すること、中止しない場合は一日当り1万ユーロの支払いを命じている。

ただし、フランスの出版社や著者がデジタル化に背を向けているかというと、そうではないようだ。
日本と同様に、著者たちの許可を得たデジタル化は歓迎であり、またアメリカ市場に本が売れるのももちろん歓迎。

デジタル化については、これまた日本と同様にアメリカでも公立図書館が先頭にたったプロジェクトがある。その名もGallicaプロジェクトというフランス国立図書館(BNF)のプロジェクトである。日本での紹介参照。
そのサイトによると、現在、951,058文書が提供され、そのうち371,053文書はテキストで提供されているという。テキストでないものは、画像ということかもしれない。そのほとんどは自館所蔵文献だが、3,898文書がパートナー図書館の所蔵文献、17,233文書はデジタル出版とのことである。

このGallicaプロジェクトについては別のエントリに続くが、フランス人著者や出版社の懸念はアップルシンドロームの再来にも向けられている。つまり、音楽ディスク業界がiTunesなどのデジタル配信により覇権を失ったように、紙媒体出版社がデジタル化配信により没落するという懸念である。
その懸念は当然の懸念というか、当然の帰結であり、デジタル化配信に役割を有さない紙媒体専業出版社はおそらく没落していくであろう。

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コメント

町村先生、お久しぶりです。フランスでのグーグルブックスについての判決の御紹介、ありがとうございます。

グーグルブックスのクラスアクション和解の動向と、日本での制度的課題について述べた論稿をウェブ上で見つけましたので、御参考までに御紹介します。

鳥澤孝之. 「Google Book Searchクラスアクション(集合代表訴訟)和解の動向とわが国の著作権制度の課題. カレントアウェアネス. 2009, (302), CA1702, p. 12-17.
http://current.ndl.go.jp/ca1702

投稿: タイゾー | 2010/02/02 06:42

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