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2009/12/04

inlaw:ネットと消費者保護の課題(4・完)

情報ネットワーク法学会シンポの問題提起を紹介するシリーズの最終回である。
問題提起というだけなのに、長くなってしまった。

 最後に、電子商取引環境での消費者の救済ないし権利回復が、それぞれ特有の問題を抱えていることも再確認しておく必要がある。

 具体的には、まず消費者の利用したサイトの内容や送信された情報の内容を消費者側が確実に確認して保存することが、電子商取引環境では困難な場合があり得る。特に携帯電話を端末として利用している場合には、取引過程のデータ保存はそもそも無理である。このような場合に、消費者に証明を求めることは不当であろう。
 PCの場合でも、画面を遷移させるたびごとに画面のコピーをとることは、理屈の上では可能である。しかし誰もそのような煩雑なことはしていない。それは、とりもなおさず、現実的ではないということである。
 もっともこの点は事業者の側でも同様の問題を抱えている。事業者がウェブサイトのすべてのページをタイムスタンプとともに保管しておくことが望ましいが、ダイナミックな動きをするウェブページでは困難であろう。
 個別紛争における証拠の問題は、その他にも送信記録が当然には受信記録と同じではないということから、契約の成否をめぐっての水掛け論が発生する可能性は高い。

 第二に発信者情報開示の必要が不当な電子商取引においても認められる点である。
 現行法は権利侵害情報の発信者であることを必要としており、取引トラブルがある場合の取引先の情報開示は対象とならない可能性が高い。
 しかし、売り主の発信者情報が開示されずに返品交渉などもできないとなると、消費者にとっての権利救済が否定されるという問題につながる。

 第三に渉外取引における消費者保護も取り残されている。
 法的な手段を尽くした訴訟・執行が困難なことももちろんだし、裁判外の紛争処理手段の充実も必要が叫ばれて久しい。

 以上のような問題について、現状と課題、そしてシンポの方向性をディスカッションによって明らかにしていきたい。
 参加ご希望の方は、明日、大阪大学豊中キャンパスに直接おいでいただきたい。

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