arret:ライフ更生事件で過払い金が失権
ライフが会社更生手続に入った後、過払い金請求権を有する債権者のうち債権届出をしたのは2名であった。
残る債権者は、債権届出をせず、失権したという。その場合に、不当利得返還請求が成り立つかどうか?
最高裁はノーといった。つまり、届出しない過払い金請求権は失権しても、信義則違反や権利濫用とはいえないという。
この事例では、ライフが会社更生を申し立てたときに、会員の脱会を防ぐため、東京地裁の許可を得た上で,新聞(全国紙3紙,地方紙3紙)に「ライフカードは,これまで通りお使いいただけます。」という見出しの社告を掲載したという。
その他、過払い金請求権の多数の存在を認識していたことや、債権届け出をするように特別な注意喚起をしなかったという。
しかし、だからといって信義則違反ということはいえない。
これが信義則違反だというのであれば、すべての債権者に対しても同様となるはずだ。
仮に過払い金請求権の債権者だけは特別に注意しなければならないというのであれば、その理由を正当化することが必要だが、これも過払い金請求権だけは特別という理屈は困難だ。
ただし、違法な利率を設定して多額の過払いを発生させた貸金業者が、倒産処理手続を経ることによって、その過払い金返還債務を免れることになることには、釈然としないものを感じるところである。
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コメント
過払い問題は完全な解決までにはまだまだ時間がかかりそーですね。。。
投稿: ホスト求人太郎 | 2010/02/01 20:41
過払い問題が絶えないですね
投稿: 借金相談屋 | 2010/02/01 21:29
なんでも正当化することは難しいですよね。
投稿: 債務整理の川上事務所 | 2010/02/12 19:04