lawyer:弁護士から最高裁判事への推薦・改革
asahi.com:地方弁護士も最高裁判事に道 日弁連、推薦手続き改正
現在は各地の弁護士会(全52会)の推薦が条件だが、来春からは個人の推薦を認め、弁護士50人の推薦を得られれば同様に扱う。東京と大阪の弁護士会からほぼ独占して選ばれている現状を受け、地方を含めて資質の高い候補を推薦できるようにするのが狙いだ。
この点に関して、日弁連サイトにはまだ何も発表がないが、上記記事によれば「決定した」とのことである。
おそらく、最高裁判所裁判官推薦諮問委員会というところが主体となって決定にいたったのであろう。
ちなみに、最高裁判所判事一覧のページを見れば、文字通りこれまでの裁判官の出身母体も含めて一覧できる。
これによると、これまで東京三会と大阪以外の弁護士会から最高裁判事になった人は、以下の方々だ。
神戸弁護士会所属弁護士 山田作之助(1960年任官)
同 奧野 久之(1987年任官)
同 元原 利文(1997年任官)
確かに少ない上、みんな神戸という偏りぶりだ。
この現状は、各弁護士会の推薦を受けて日弁連の上記委員会で推薦するという構造の中で生まれたのだが、これを弁護士50人の推薦でも検討対象に加えるという改革をすることで、地方の弁護士がより選ばれやすくなるのであろうか? 今でも地方の弁護士会からはその地方の弁護士が推薦されることもあったと思うのだが、それをはねつけてきたのは日弁連の委員会ではなかったのか?
このあたり、全く事実関係が分からないので、まるで違うということもあり得るが、論理的には上記のような推論が成り立つ。
さて、50人の弁護士の推薦で検討対象とする場合、弁護士会が推薦しないけれども多くの弁護士に最高裁判事になってほしいと支持される弁護士が推薦されるようになるわけだ。
弁護士会の会務や派閥活動に勤しむ以外の人材で人望の厚い方々ということだが、はてさて・・・・。
その効果は今年の暮れにも明らかになるやもしれぬ。
弁護士枠が変わらないとすれば、2009年12月に次の弁護士出身裁判官が選ばれる予定で、その次はもう2012年までない。
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コメント
本山 亨
もとやまとおる
1977/08/26~1982/08/10
名古屋弁護士会所属弁護士
投稿: 名古屋弁護士会からの最高裁判事として本山先生がいます | 2009/11/20 17:01