kill dream:寝ていて暴漢と戦ったら、隣の妻の首を絞めていた
ココログニュースに面白い記事があった。
睡眠中に愛妻を誤殺、無罪に
これこそ、学生時代に聞いた刑法総論「行為論」の典型的な設例ではなかろうか?
旅先で夜半に悪夢を見た男性が、妻を手で絞め殺してしまったという。翌朝目を覚ました男性は妻の異変に気づき警察に通報。侵入者と闘っている夢を見ていたら誤って妻を殺してしまったと説明した。男性はすぐに逮捕、起訴され、裁判が開かれることとなった。
元記事はこちら(Camper van 'dream killer' Brian Thomas freed by judge)
この悲劇に、陪審は無罪の評決を出し、裁判所もそれを認めたという。もともと、トライアルのはじめに陪審は狂気を理由とする無罪か、ただの無罪かのいずれかの評決を指示されていた。狂気を理由とする無罪という場合は、狂気による自動的行為だとされ、精神病院入院ということになるが、審理の途中で検察官も狂気による無罪とは認められないと判断したようである。
かくして無罪放免となった。
そして、悲劇の男性の家族たちも、「正義は行われた」と安堵した。
学生時代、刑法総論の授業の最初の方で「行為論」なる議論を聞き、寝ている間に夢の中で侵入者との戦ったところ、隣にいた配偶者を攻撃していたという場合は「行為」とはいえないのだという説明を聞いたことを覚えている。このケース、まさにそれを地でいっている。
今後は、講壇設例ではなく、実例として引用することができよう。
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コメント
事実は講壇設例より奇なり。。
投稿: キメイラ | 2009/12/01 10:51