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2009/11/17

jugement:更新料違法判決+プライバシー

京都地判平成21年9月25日PDF全文

 更新料の特約が消費者契約法違反で無効だとした地裁判決だが、この判決はもう一つ面白い争点がある。
 学生単身者向けのアパートの大家が、玄関に防犯カメラを取り付け、入居者の出入りを記録して監視し、18歳の女子大学生の入居人が女友達を2か月くらい宿泊させたり、男友達を頻繁に泊まらせたりしたことについて「君,昨日の夜中1時に帰ってきたね。」,「なんで昨日は男と帰ってきた。」などと注意し、その後も遅く帰宅したこと,男性を宿泊させることが契約違反であること,契約を守れないのであれば出ていってもらってかまわないということを頻繁に告げ,注意するようになり、ついに入居1年少々で出て行くことになってしまった。
 この大家のやり方は、入居者のプライバシー侵害として賠償責任を負うだろうか?

京都地裁の出した答は、プライバシー侵害というほどのものではないということであった。

この事件、大家が自宅の一部を学生向けアパートにして貸すというタイプで、いわゆる下宿と紙一重のケースだけに、監視カメラなどがなくとも入居者の動向は大家に筒抜けということがありうる。
また、18歳の女の子が入居者だと、大家の態度も親代わりのつもりになったりして、生活一般に干渉するのが当然という人も(よく)いる。この大家も、入居者に注意するのみならず、入居者の母親に直接注意する(入居者からすればチクる)という行動に出ているところからすれば、親代わりとして責任を持たねばという意識があったのではないか。

しかし、これが監視カメラの映像を見て知ったということは大家としても後ろめたいらしく、裁判でも監視カメラの映像は見たことがないと言い張って、裁判所から信用できないと決めつけられている。
それに、上記では省いたが、この事件では度重なる大家の注意に耐えかねた入居者が、不動産会社の担当者に相談し、会社と大家と入居者とその親も交えて話し合いがなされ、その場では今後直接注意することはせず、不動産会社を通じて注意するときはするという合意が成立した。にもかかわらず、直接注意することは止まず、入居者を追い込んだようである。

さて、この場合プライバシー侵害として賠償金10万円程度を支払うべきであろうか?


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コメント

 未成年の学生が同性学生を宿泊させる許容限度,外泊する(部屋を空ける)許容限度,異性学生を宿泊させる許容限度,という賃借人の義務の論点でしょうか?
 異性の立入宿泊を許容した方が部屋がきれいで汚損が防げるメリットが賃貸人(管理人)にもあるのでは(。_・☆\ ベキバキ

投稿: キメイラ | 2009/11/17 12:31

プライバシー侵害が認められるのはかなり難しそうですね。

ただ、
>その場では今後直接注意することはせず、不動産会社を通じて注意するときはするという合意が成立した。
この際に合意の中へ違約罰の規定を入れればよかったような。
本当に合意を守る気があるのなら、賃貸人側も入れることに異存はないはずですし。

当時は違約罰の規定を入れるほど険悪な関係ではなかったということでしょうか・・・。

投稿: どこかの法律関係者 | 2009/11/17 17:10

違約金条項を入れるような、プロ同士の話し合いという雰囲気でもなかったのかもしれません。

投稿: 町村 | 2009/11/17 18:35

 監視カメラがどこに設置されていたかは分かりませんが、ドアの前の通路を撮影していたのでしょうか。そうであるならば、設置目的が監視するためであっても、防犯のために設置することもあるのですから、問題ないのではないでしょうか。
 
 注意内容については、「契約当事者以外の者を数カ月にわたって宿泊させることは、契約違反である」という「契約違反」を主張しているわけですから、契約当事者である賃貸人として、当然の主張であると考えられます。ただ「なんで昨日は男と帰ってきた。」という発言は、少し問題があるとは思いますが・・・。

 よってプライバシー侵害にはあたらないと思います。

投稿: てみす | 2009/11/24 14:20

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