電源アダプタで儲けようとするせこいApple
アップル・コンピュータは、パソコンのリプレイスをする度に、付属機器の規格をちょっとづつ買えて、それまで蓄積したスペアもろとも使えなくする歴史を繰り返してきた。
そんなところで金儲けしようというつもりがあるとは思っていなかったが、次のニュースを見ると、やっぱりそんなところでせこく儲けようとしていたと得心した。
Appleは米国時間11月23日、カリフォルニア中央地区連邦地方裁判所でMedia Solutions Holdingsに対して訴訟を提起したという。Appleは、Media Solutions Holdingsの電源アダプタがAppleの保有する同社独自のアダプタ設計に関する特許を侵害していると主張している。
アップルの電源アダプタは、特に純正品はサイズがでかく、携帯に適さず、MacBook Airのようなモバイル用に適した製品を生み出しても、結局アダプタがかさばるという仕組みになっている。
特に、マグセイフと呼ばれる電源コードになったことで、それまでどのノートにも使えていたアダプタが使えなくなった。アップル純正のでかいアダプタではなく、サードバーティの軽くて持ち運びしやすいアダプタもあったのだが、マグセイフには出ていない。
それでは従前のアダプタにマグセイフ用に変換するアダプタがあればよさそうなものだが、それもない。アップル自身も出していない。要するに新しいパソコンにしたら、従前の附属機器が使えなくなって、新しく買い換えろと言うことなのだ。
確かにパソコンに一つは新しいタイプのアダプタが同梱されているから、新たに付属品も買わなければパソコンも使えないというものではない。しかしモバイルの電源コードは、職場と家庭など、よく使う場所におきっぱなしにして、さらに出張先で使うようにもう一つということがありうる。こうした使い方は必ずしも特殊でないことの証左に、サードバーティの商売が成り立ってきたということが挙げられる。
それなのに、ばかでかいアダプタしか作れないアップルが、特許をたてにサードバーティの出現を阻むとは、不正競争なのではないか。
少なくとも自らマックの市場規模を縮小させているようにしか見えないのだ。
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コメント
先日、ネットブック用に携帯する電源を買ったつもりでしたが、プラグの形状が合いませんでした。
もちろん、電圧と電力だけで決めたので、プラグはバクチだったわけで、負けでした。
結局、秋葉原のガード下の店でパーツ(プラグ)を買って、作り直して使っています。
純正品もネットブックだから軽いのですが、さらにその半分といった感じで極めて軽い物です。
携帯用に全機能が動かせないような電力の電源が軽く作れるのであれば、電源という製品でも棲み分けが出来るわけですから、サードパーティー製品の意義は大いにありますね。
電源アダプターに独自の特許とは恐れ入りますね。
機能的には、直流を供給するだけだから、特許を回避した電源アダプターはあるのじゃないのか?
そもそも、多数のプラグを同梱している汎用電源アダプターも存在するし。
投稿: 酔うぞ | 2009/11/30 13:21