Lindsay Lohanに思う司法機能
フランスでも、お騒がせセレブのリンゼイ・ローハンのニュースが取り上げられている。
Lindsay Lohan toujours suivie de près par la justice
要するに、裁判所にまた呼び出され、1年間の司法コントロール(保護観察か?)のもとに置かれる決定を受けているという話である。
同様の記事は、TechInsight:【イタすぎるセレブ達】リンジーまたリスト・カット? 裁判出廷でバレた腕の傷!にも出てきている。
アルコール中毒に陥ってしまった彼女は、これを克服したという点について裁判官を説得できなかったといのがフランスの記事の趣旨だが、脱アルコールプログラムが用意され、これを裁判所がコントロールに用いるという態勢に注目すべきだ。
これに相当する制度は、いわゆるドラッグコートにも用意されている。薬物中毒者に対する司法コントロールであり、処罰だけでなく治療を命じ、裁判所がその経過を観察するのである。
日本では、裁判所がそのようなコントロールを継続的に行うことになっていない。日本の裁判所の機能として不足している部分である。
ノリピー事件でも、結局処罰するかどうかだけが司法のできることで、立ち直れるかどうかは知らない、またやったらまた罰するというだけなのである。
もちろんそれだけでは機能として十分でないという意識はあり、執行猶予を付すかどうかのレベルで治療プログラムの実行や治療支援団体のコントロールの存否が影響を与えることがあり得る。だとすると、さらに一歩進んで、不定期の執行猶予と保護観察によって薬物中毒・アルコール中毒の治療の進展に司法コントロールを及ぼすという制度化が考えられてよい。
司法でなければならないのか、行政庁がやるのはどうかという疑問もあろうが、中毒患者の身柄拘束を伴うだけに、公正中立な存在である司法コントロールが最も適切なのである。仮に行政庁がやるとすれば、その行政処分に対する不服申立に司法コントロールをかぶせる必要が出てこよう。
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