jugement:特許侵害賠償債権が再生債権となった事例
珍しい事件というわけではないが、特許権侵害による損害賠償請求権が、査定0とされたため査定異議の訴えを提起したというものである。
結論として全額について異議を認めた判決である。
異議を認めたといっても、被告は欠席であり、特許権の構成要件充足部分を除いて擬制自白が成立しているので、全額認容となっている。
再生裁判所が査定手続で0としたのはなぜなのか、疑問が残る。
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コメント
まぁ本件がどうかは分かりませんが。
仮に、査定手続において、再生債権者が損害についての証拠を出せなければ、訴訟と違って擬制自白は働かないでしょうから、査定額は0になるような気がします。
それはそれとして、破産債権査定異議や、再生債権査定異議の訴えは、破産裁判所や再生裁判所の専属管轄ということで・・・特許権等に関する訴えでも、東京・大阪以外の地裁に係属することがあり得ることに今気づきました。(^^);
投稿: えだ | 2009/10/21 18:48
そうなると、それはそれで民事手続法的には面白いですね。
損害立証できないけど債務者もやる気がない場合、特許侵害債権は査定手続では通らず、異議訴訟では通ると。
それにしても、再生債務者は管財人的地位も兼ねているのだから、異議訴訟できちんと争わないのは再生債務者としての義務違反にならないものでしょうか?
38条2項「再生手続が開始された場合には、再生債務者は、債権者に対し、公平かつ誠実に、前項の権利を行使し、再生手続を追行する義務を負う。」
実質的に和解含みの欠席なら、41条の潜脱でもあるわけで。もちろん裁判所の了解の下での欠席なら別です。
投稿: 町村 | 2009/10/22 07:30
まぁ、異議訴訟できちんと争わないのは、それはそれで問題だと思うのですが・・・そもそも、異議訴訟で欠席するくらいなら、なぜに異議を出したかという疑問もあるのですけれど。
一般論としての憶測をいえば、別会社を設立して採算事業を譲渡して、再生会社は清算してしまうこともよくあることで、そのための時間稼ぎ目的で異議を出した、ということも考えられるのですけれど・・・ま、あくまで一般論としての憶測ですが。(^^)
投稿: えだ | 2009/10/22 20:43