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2009/10/15

JALチキンレース

JAL再建案をまとめるタスクフォースの再建素案は、実質的な倒産処理案である。

asahi.com:JAL再建素案:タスクフォース、譲歩なきリストラ

タスクフォースによれば、実質的な債務超過額が2000億円を超えるとのことで、倒産前夜の状況であることは改めて明らかとなった。

今のこの時期に、不明朗な取引をすれば、仮に倒産処理手続に進んだとすると否認権や相殺禁止などの対象ともなりかねず、融資の引き上げとか追加担保の取得なども破綻すれば無効となる可能性をもつ。

ことここに及んでなお、大口債権者も企業年金債権者も渋っているようだが、彼らは政府の無限の救済を当てにして粘っているのであろう。

一般に、倒産企業に債権を持ってはまっている取引先のうち、悪質なところは、倒産企業の主要な財産をとにかく占有し、誰かが金を持ってくるまで何年でも頑張るという。場合によっては、「ここでこの会社をつぶしたら、みんなが困るでしょ。あんたもただじゃ済まんよ」と凄んで、気の弱いところや後ろ暗いところのある関係者から金を持ってこさせる。

今のJALをめぐる情勢も、非常によく似ていて面白い。

要するに倒産という転落を前にチキンレースをしているわけだが、チキンレースは失うものがない連中が最も強いのである。

この状況、大きすぎてつぶせないとか、過去の利権に群がった連中などのしがらみから弱みがある関係者がいて、しかもその関係者は無限大のサイフを持っている場合には、そのサイフが発動することになりそうだが、これは公正ではない。

日本の倒産処理手続は公正さと柔軟さが備わっており、確かに破綻というレッテルは大打撃だとしても、それに耐えて法的に再建をすることが最善である。
民主党政権は過去の利権に群がったという弱みだけはないはずなので、筋を通すことが可能なはずだ。

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コメント

この前の倒産法研究会でわれらがエアドゥの民事再生での
話を弁護士の先生から聞かせてもらいましたが
航空会社の破産はゲーム理論の倒産手続の分析で
教科書で着てあるようなことが本当にクリアに起こるのですね。
非常に興味深いです。
ただ、エアドゥには二度と潰れてほしくないですが...

投稿: 故元助手A.T. | 2009/10/16 00:36

 チキンレース出場前に,バードストライクの直撃を受けて失速警報のスティックシェーカー中でしょう。

投稿: キメイラ | 2009/10/16 08:22

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