mediaに中立性を期待する日本人
J-Cast ニュース:「民主党さんの思うとおりにはさせないぜ」 ツイッター軽率発言を産経新聞が謝罪
産経新聞がTwitterの公式なつぶやきとして次のように書いた。
「産経新聞が初めて下野なう」
「でも、民主党さんの思うとおりにはさせないぜ。これからが、産経新聞の真価を発揮するところ」
もちろん担当者が勝手にやったことだが、産経新聞としては面目が悪いと判断して謝罪した。
私が注目するのは、産経新聞ではなく、この件に対する次のような「非難」だ。
まず、J-castニュースのリードが次のようなものだった。
保守的な論調で知られる産経新聞の記者が公式「twitter」上でつぶやいた軽率な発言が「報道機関としての中立性はないのか」と批判を浴び、2009年8月31日、同社は謝罪した。
はあ、報道機関としての中立性?
そして記事の中身も
中見出し「メディアの中立性を破壊してると思う」
twitter上ではすぐに話題になり、多くのユーザがコメントした。「本音丸出しで好感が持てる」といった好意的な見方も一部あるものの、そのほとんどが、
「え、産経新聞本気でいってるの?…公式アカウントでこの発言?」
「こういう発言しか出てこないのは既にメディアの中立性を破壊してると思う」
メディアとか報道機関が中立性、特に政治的に中立でなければならないということを当然の前提にしているようだ。
しかし、いったいいつから政治的に中立でなければならないことになったのだろうか?
新聞倫理綱領という文書をみても、公正とか独立という言葉はあっても中立という言葉は出てこない。
中立性の反対概念は党派性だと思うが、特定の組織の僕となるということであれば独立性を失うとしても、沿うではなく右翼的、または左翼的な信条をメディアとして採用するという意味での党派性は、言論機関として当然あり得ることである。
また民主党に対して批判的なスタンスを取るということも、自らの信条からそういうポジションを採用するのであれば、何ら問題はないのである。
それは言論の自由の当然の帰結である。
問題があるとすれば、党派的なスタンスをとる余り、真実をねじ曲げたり、公平でない見方をしたりすることだが、そしてそれは現実的な危険でもあると思うが、それは別問題であり、中立性とは無関係である。
上記の記事に取り上げられている人々と、そして驚くべきはJ-Castニュースの記者も、中立性という言葉に一種の信仰があって、それが言論表現の自由と基本的に相容れないものであることを理解していないようなのだ。
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コメント
中立性と独立性が混同されているのね。
中立性を要請されるのは、行政などいわゆる「公的機関」ですが、
マスコミが社会の公器である、というときの「公」というのは、意味が違う。
行政や国家の中立性について、批判されることが多いのだけど、
その足元で、こういうことが起きていたとは・・・
投稿: さしみのつま | 2009/09/01 06:29
放送法3条の2の公平性ともごっちゃになっているような気が>中立性を信じている人々
投稿: こう | 2009/09/01 08:36
中立性を信じているのではなく、中立だと装ってる癖に、実際は違うから叩かれてるのだと思う。
アメリカでは弊社のスタンスは○○です、とか○○党支持ですと堂々と表明しているのに、日本では特定の政党を支持していないと絶対に有り得ないことをメディア自身が言ってるから。
投稿: gingin1234 | 2009/09/01 09:13
中立性、という言葉が出たのは産経の火消し発言内であって、
twitterユーザーの中では「下野」発言のほうが問題にされていたように実感しています。
投稿: saito | 2009/09/01 16:06