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2009/09/06

election:選挙期間中の候補者によるBlog更新

これはやばいかもと、多くの人が萎縮させられていたところに切り込んだ候補者(前議員)がニュースになっている。

毎日jp:ブログ:落選の自民前議員が公示後も更新 公選法抵触か

衆院選愛知3区で落選した自民党の馬渡龍治前衆院議員が8月18日の公示後もインターネットでブログを更新していたことが分かった。公職選挙法は公示後に規定のビラなどを除く文書図画の配布を禁じており、総務省は選挙運動のためのブログ更新は同法に抵触する可能性があるとしている。

もっとも、馬渡前議員のブログ記事「更新」によれば、事情は異なるようである。

まずもって、小泉郵政選挙のときも、選挙期間中にHPで演説会等の告知をしており、当局に問い合わせをしていたとのことである。その回答は「選挙期間中だけ更新するのではなく、日常的に更新しているのであれば、更新自体は問題がないと思われる」というものだったという。

また今回の総選挙でも、当局に問い合わせをして、以下のような回答を引き出したという。

「更新自体はダメというわけではありません。ただ、その内容が選挙運動(投票依頼や公約、集会の案内など)にあたるのか、単なる日記的なものであるのかの線引きがしにくいところから、他の方々は更新していないのだと思われます。違反かどうかは内容次第です。」

この回答は、至極真っ当だが、その判断を行政庁が一方的に行い、しかも違法と判断されれば逮捕されることもあり得るということであるから、過剰な萎縮効果が生じるのも当然である。

表現の自由が公権力に対して極めて脆弱なものとなる構図そのものだ。

もともと、文書図画の概念、しかも配布する行為を規制する法律を、有体物でもないし配布もしないネットに「類推適用」すること自体が、正当な解釈ではない。ネット上の表現行為を選挙との関係で規制するのであれば、それを明確にした立法をすべきであり、当否を総合的に考慮した立法判断の上で、規制すべきかどうかを決するべきなのである。
そしてその規制に当たっては、過度に自由を制約しない限度を慎重に設定するべきことは当然である。

ともあれ現状では、選管が類推適用を主張している以上、リスクがある。
その上で、馬渡氏自身は、より慎重に行動したようであり、公開を差し止めたエントリと公開したエントリとを区分したという。
その区分例は、一つの解釈例として参考になるだろう。

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法律・裁判」カテゴリの記事

コメント

う~ん・・・・・・

選挙では現場の解釈は、

 1 公職選挙法にかいてある字義通りに行う。
 2 解釈した場合には、常に拡大解釈と理解する。
 3 拡大解釈なのだから、毎回の選挙で解釈が変わる
 4 したがって「以前はこれで通用した」は全く理由にならない
 5 それゆえ、最新情報(判断の相場)に最大限の注意を払う。

といった感じなのですね。
これが法律なのかよ?というと、「字義通りだから」なんですね。

公示前に「選挙に出ます」と言っちゃいけないわけで、それを回避するために政治団体を作って、政治集会の呼びかけにする、なんてことになります。

宣車に付けられるのは「看板」であって「ハコ」ではない、とかね。

提灯は良いけど、照明を取り付けてはダメ、とかね。

ほとんど、ミステリーとか謎解き世界であります。

難しいのよ。

投稿: 酔うぞ | 2009/09/07 09:53

現場がどう動くかは重要なことなんですが、それ故にこそ根拠のない類推解釈を振り回して誤解を与えたり、既成事実をこしらえたりするのは良くないことなわけですよ。

常に拡大解釈するというのは、選挙運動をする側が安全のためにやっているわけですが、拡大解釈が正当かどうかは別問題で、そこを議論しないまま成り行き任せに規制する方向に放置しているところが問題なわけです。

またその結果が、インターネットを普通に使えない人や、ウェブページを作ると一ページ数十万円かかるのが当たり前と思っている人、さらにはインターネット上の表現が悪意と中傷の巣窟で無法地帯だと思っている人々に有利に働くというところが我慢のならないところです。

第1、ネットで候補者を中傷する怪文書が出てくるかもしれないという虞は、ネット上の選挙運動を認める・認めないにかかわらず、生じるリスクなのに、ネット上の選挙運動を認めない根拠のようにいう人々は全くもってナイーブとしかいいようがないです。

ということを酔うぞさん相手に力説しても、話はすれ違うばかりですが、ともかく現場の判断は別として、立法とか規制とかのあり方はそのような要素を考慮して決めていくべきもので、文言をどう読めるかということで決めていくべきことではありません。

投稿: 町村 | 2009/09/07 10:29

あ、いや力説するほどものじゃないです(^_^;)

実際に、公選法で問題になっちゃうのは、3種類ぐらいあるようです。

 1 確信犯というか、承知でリスクを冒す場合。
   今回は、これでしょう。
 2 単なる無知。
   学生にバイト代を払った事件がありました。
   これは、現場的にはただの無知です。
 3 狙い撃ち
   取り締まるのが警察ですから、
   業界とでも言いますか、ルートがあると情報が来るのですが
   一匹狼の素人は「知らないだろう」でやられてますね。

なので、一律に公選法の問題に挑戦ではない。HPやブログの更新問題でも、意図してやっているのか、知らないのか、調査不足なのか、確信を持ってやっているのか、これは外部からは、なかなか分からないでしょう。

では、インターネット時代の表現の自由と公選法の規定をどう解釈するのか?となると、これはちょっとやそっとで何とかなるのか、わたしには疑問であります。

あまりに、便宜的な規定が多すぎます。
総合的に見直さないと、バランスが悪くなるだけのように思います。

ここまで複雑にしても現場をコントロールしなければならないものなのか?とは感じます。

投稿: 酔うぞ | 2009/09/07 14:05

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