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2009/09/12

election:破産者まで当選していた民主旋風

なんともはや。
asahi.com:民主新人が破産手続き 比例近畿・渡辺氏

官報によると、今年3月、渡辺氏の破産手続き開始が決定された。破産管財人は「経緯や理由は守秘義務があり、話せない」としている。

管財人がいるし、10日には債権者集会が開催されたというのであるから、破産手続は継続していて、同時廃止ではなかったようだ。

破産は、よく選挙権がなくなると信じられているが、それは誤解で、破産者でも公民権は停止されない。
しかし自分の財産管理もできない人が人の財産とか事務とかを委ねられる能力はないというのが一般的な見方である。結局、人に何かを付託する人が、その受託者の能力を十分吟味することができれば、破産者であれなんであれ、付託する人の自己責任なのである。
そういうわけで、破産者だからといって一律に資格を奪うのは適当でない。だとしても、付託する際には、破産者であることを開示されている必要がある。

その点で、渡辺氏が破産者であることを開示して立候補していたわけではないらしいので、法的にはともかく政治的には大いに問題である。辞職すべきであろう。

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コメント

「破産者=自分の財産も管理できない人」といわれるとちょっと違和感があります。この方も連帯保証でやられてしまったようですので,ご自身の経験をも生かして,連帯保証制度の改廃に邁進していただけるのであれば,却って良いのではないかと思ったりします。
順風満帆な人生を送った人間以外は国会議員になるべきではないという風潮はおかしいように思えます。

投稿: 小倉秀夫 | 2009/09/13 10:29

連帯保証にも色々な経緯があるでしょうが、ともかくこのエントリでは破産者が国会議員になるなんてけしからんというような趣旨ではありませんので、そういう意味に誤読して突っかかってこないで下さい。

隠すな、というわけです。

投稿: 町村 | 2009/09/13 11:18

積極的に虚偽の事実を述べたのならともかく,開示することが義務づけられていない事項について開示しなかったことが「隠した」といい得るのかは疑問です。

投稿: 小倉秀夫 | 2009/09/13 11:52

渡辺氏は「(立候補の)マイナス材料になると思い、党本部に申告していなかった。問題があったと思う」
だそうです。

投稿: 町村 | 2009/09/13 13:01

この件に関しては、私も小倉秀夫さんと同意見です。
被選挙人は、「申告しなくてはいけない事項」と決められているわけでもない、自身の財産状況について、いちいち選挙公報に書かねばならないのでしょうか。

投稿: Inoue | 2009/09/14 03:04

公表する義務があるかどうかという点でいうと、その義務はないということに同意しますが、国会議員として選ぶかどうかの判断材料としては、破産者かどうかは考慮に値すると考えるわけです。
場合によっては破産経験を肯定的に評価する人もいるでしょうが、それは有権者が決めればよいことです。

それに、他の下ネタスキャンダルとは違って、破産というのは純粋にプライベートなことと片付けられる問題ではありませんから。

投稿: 町村 | 2009/09/14 08:39

私は小倉秀夫さんに共感したことは、生まれてこの方一度もありませんでしたが、今回の小倉秀夫さんの意見には全面的に同意します。


町村先生も本音では自己破産をネガティブに捉えているのだなぁ~と残念に思いました。

投稿: かおる姫 | 2009/09/16 11:41

自己破産を隠して当選しようという行為を、かおる姫さんが是とするのであれば、それよりは、ポジティブにとらえているつもりです。

投稿: 町村 | 2009/09/16 12:01

「自己破産した人が議員になった」ことが問題なのではなく、「『自分の評価を下げる可能性がある自己破産という事実』を隠して議員に当選した」ことが問題なんですが、何でそこを混同しようとする人が多いんですかね。
「マイナス評価にはならない」と思って報告を懈怠していたのならば分かりますが、「マイナス評価になる」と分かっていて、それを回避するために(=自己の利益のために)秘匿していたことが悪質なのですよ。
自己破産歴が国会議員としての資質に疑問点を抱かせる点か否かは、本人や一部の人間だけが判断することではなく、有権者それぞれに判断が委ねられるべき事でしょう。(私自身はそれほど問題だとは思いませんが)
資質に欠けると思う人は渡辺氏あるいは民主党に投票しなければ良いし、問題ないと思う人は投票すれば良い。
しかしその判断材料を意図的に秘匿する行為は非難されるべきです。

投稿: 感熱紙 | 2009/09/16 12:51

 伝説のプログラマであるスティーブ・ジョブズは,電話のタダかけ装置をキャンパスで売りさばいて,後にアップル社の元となるガレージカンパニーを作りました。
 しかも,1か月25日間遊びまわって,2~3日極端に集中してFDドライブのコードを書きあげるという勤労生活。
 そういう人生もあります。要するに世の中のために偉業をなし遂げるなら,遊び呆けようが,多少は問題あることをしても,目をつぶってもいいのではないかと思いたいです。はい。
 ホリエモン氏だって,ライブドアに辿り着くまでは会社を倒産させたりしたけど,ライブドアを成長させるまでは(以後は悪いけど)評価されていたのだし。

投稿: キメイラ | 2009/09/16 20:00

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