politique:民主党マニフェストの期待するポイント
民主党マニフェストで、司法や消費者法、教育などに関係する部分を改めてみてみたが、いくつか、期待するポイントを挙げてみる。
1.大学生への奨学金
2.教職課程6年制化
3.NPO支援
4.消費者団体訴訟に不当収益剥奪制度を加える
5.取り調べ過程の可視化
6.個人による人権侵害通報制度の批准
7.(マニフェストにはないが)夫婦別姓、非嫡出子差別撤廃、婚姻年齢平等化、待婚期間短縮
やや詳しく見てみよう。
☆マニフェスト教育12
大学などの学生に、希望者全員が受けられる奨学金制度を創設する。
もっとも、現在でも奨学金というだけなら希望すれば受けることができそうである。問題は、無利子奨学金、あるいはもっと進んで給付奨学金が拡充さることが望まれる。
☆マニフェスト教育15
教員の資質向上のため、教員免許制度を抜本的に見直す。教員の養成課程は6年制(修士)とし、養成と研修の充実を図る。
国際社会の中で、多様な価値観を持つ人々と協力、協働できる、創造性豊かな人材を輩出するためのコミュニケーション教育拠点を充実する。
前段は、教職大学院を必須とするということであろうか? これを4年以内に実現するということは、教員養成用教員やその課程を設置するプロセスがあり、なかなか難しいであろう。そのような方向に政策を決定するということで満足すべきかもしれない。
後段は、留学生大増員という従前の政策と一致するものかもしれない。
マニフェスト地域主権34
【政策目的】
○市民が公益を担う社会を実現する。
○特定非営利活動法人をはじめとする非営利セクター(NPO セクター)の活動を支援する。
【具体策】
○認定 NPO 法人制度を見直し、寄付税制を拡充するとともに、認定手続きの簡素化・審査期間の短縮などを行う。
○国際協力においてNGOの果たす積極的な役割を評価し、連携を強化する。
【所要額】
100 億円程度
NPO認定を簡素化し、寄附を得やすくするとなると、法人法の大改革と公益法人制度創設をしたばかりなのだが、それをまた大きく変えていくことになるのかと、徒労感を感じる。が、よりより制度になるのであればよいが。
☆マニフェスト消費者・人権46
○消費生活相談の過半を占める財産被害の救済と消費者団体訴訟制度を実効あるものとするため、悪徳業者が違法に集めた財産をはく奪する制度を創設する。
消費者団体訴訟に違法収益財産の剥奪制度を創設するというのだが、これは消費者団体に損害賠償請求権を付与するのか、それとも行政庁に父権訴訟のような権限を与えるのか。その場合は課徴金などとどう違うのかなどなど、これまでも議論してきたところが今後も議論になる。
☆マニフェスト消費者・人権49
【政策目的】
○自白の任意性をめぐる裁判の長期化を防止する。
○自白強要による冤罪を防止する。
【具体策】
○ビデオ録画等により取り調べ過程を可視化する。
【所要額】
90 億円程度
マニフェストにおけるこのテーマについては、既に民主党は法案を作成して提出している。
2009年4月3日提出法案
(1)ビデオ等の録画・録音による取調べの可視化
(2)録画等のない自白の証拠能力の否認
(3)検察官手持ち証拠リストの開示
これは、もう法案ができているのであり、特別国会の会期を2か月くらいにしてすぐに審議してはどうかと思う。少なくとも、秋の臨時国会で迅速に成立させて頂きたいものである。
☆マニフェスト消費者・人権50
個人が国際機関に対して直接に人権侵害の救済を求める個人通報制度を定めている関係条約の選択議定書を批准する。
具体的な条約が挙げられていないが、国際人権規約ABともに、個人通報制度を日本は批准しないで保留している。これを実現すれば、国家権力による人権侵害がしにくくなる効果が期待できる。
その他、以下の政策は民主党の従来の方針であった。マニフェストに書かれていないが、これまでの活動は民主党支持者の前提条件でもあるので、政権についたからといって急に手の平がえしをすべきではない。
☆2009/04/24民法改正案
(1)選択的夫婦別姓制度の導入、(2)婚姻適齢を男女とも18歳とすること、(3)再婚禁止期間を100日に短縮すること、(4)非嫡出子の相続分を嫡出子と同一にすること
これまた法案になっているものであり、特別国会またはその直後の臨時国会で実現するだけのことである。まさかやらないなどということはないと思うが。
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