arret:外国国家に対する解雇無効・賃金支払い請求の適否
東京高判平成19年10月4日(PDF判決全文)
アメリカ・ジョージア州の在日港湾代表部職員を解雇したことが不当かどうか争われた訴訟において、日本の裁判所の裁判権を認めた第1審判決を取り消し、裁判権免除により訴えを却下した事例
平成16年12月2日に国連総会で採択された国連裁判権免除条約には、第11条に以下のような規定がある。
1.関係国の間で別段の合意のない限り,国家は外国の領域においてその全部又は一部が遂行され又は遂行されるべき労働のための当該国家と個人との間の雇用契約に関する訴訟に管轄権を有する当該外国の裁判所において,裁判権からの免除を援用することはできない。
2.1は次の場合には適用しない。
(a) 被用者が統治権限の行使における特定の任務を行うために採用された場合
(b) ・・・略
(c) 訴訟の主題が個人の採用,雇用の更新又は復職についてである場合
以下略
本件は従業員たる地位確認と解雇後の賃金支払い請求であり、復職にあたるかどうかが問題となったが、就労を求めてはいなくても、賃金支払いを求める以上は復職についての訴訟となり、従って裁判権免除が主張できない場合に当たらないとした。
かくして、日本の民事裁判権免除を理由とする本案前の抗弁が認められたわけである。
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