LSの定員割れ状況
常々、ロースクール制度を非難してこられた議員さんのサイトによれば、文科省まとめによる「平成21年度法科大学院入学者選抜実施状況(大学別)」というのがあって、それによれば今年の法科大学院の入学人数は定員を遙かに下回っているそうだ。
それによると、5,765人の総募集人員に対して総入学者数は4,844人にすぎない、つまり定員割れは既に921人に達しているのです。また、個別の大学名の引用は差し控えますが、国立大学を含むおよそ20校において、募集人員の半分そこそこしか入学者数が確保できていない実態も明らかになりました。
感想を言っただけでも色々なことになりそうなので何も言うことはない。
ただ、事実としては、人為的カルテルなど結ばなくとも、1000人程度の学生数(将来の卒業者数)削減は達成されていたということである。
もちろん経済現象のならいで、需要が少なく生産過剰になっているからこそカルテルを結んで生産調整をして業界の落ちこぼれ(淘汰)を防ごうとするわけで、その意味では、というかその意味でこそ、意義があったということであろう。
そうしたこととは全く別に、法曹実務家養成のためにあるべき教育内容・水準はどうあるべきかについて、法科大学院協会としては考えていくべきだと思うし、そうした方向での努力はなされていないわけではないのである。ただ、残念なことに、そういう方向での努力は表に出にくいし、注目もされないのだろう。
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コメント
> 業界の落ちこぼれ(淘汰)を防ごうとするわけで
50校ぐらいは淘汰されてしまった方が受験生にとってはありがたいですよね。
東大・京大など、みんなが入りたいトップローの定員がどんどん削減されて、誰も行きたくない三流ローがゾンビのように生き残る(定員30人に対して、入学者が2~3人)という未来が瞼の裏に浮かんできました。。。おぞましい。。。
投稿: しんじろう | 2009/06/04 13:13
定員の半分に満たないローは、補助金全額打ち切りで後は廃校にするかどうかは大学の自治に任せては?
投稿: キメイラ | 2009/06/04 16:04