LEC大学、閉鎖へ
asahi.com:LEC大、来年度の募集停止 日本初の株式会社立大
規制緩和の失敗例の典型だが、ネオリベ的には痛手ではない。経営が成り立たない場合はさっさとつぶれるというのが彼らの基本原理だからである。
そういうわけで、規制緩和でできた様々な新規事業については、その経営を維持するために税金をつぎ込むなんてのは概念矛盾なのである。
ところが、株式会社や資本主義の本丸のような企業・金融機関は、政府が税金をつぎ込むことにすっかり慣れきってしまって、「俺たちを潰したら困るのはお前らだからな」といわんばかりの態度で公的資金を要求している。
おかしいとは思わないのか?
株式持ち合いで痛い目にあったから助けてやって、もうリスク資産にはつぎ込みませんと反省していたのは、そんなに昔のことではなかったはずだが、株価が下がると自己資本比率が危うくなるので公的資金をもらうのは当然というような対応は、完全なモラルハザード(誤用)が定着したとしかいいようがない。
その点、やはりアメリカは資本主義の国らしいと思うし、翻って日本は最も成功した社会主義といわれるだけのことはあるのだ。
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コメント
企業が政府に救済を求めるのは米国も同じです。ただし、議会がそれを許さない。日本の場合は国会がストッパーになるどころか、率先して救済してしまっています。
投稿: Inoue | 2009/06/18 19:22
銀行の点を除いて激しく同意です。
(商業)銀行はシステミックリスク回避の観点から
健全性確保のための様々な政府規制に服していますから
資本主義の本丸ではなくて例外ではないでしょうか?
ただ、「システミックリスク」概念を
本来の決済性預金を超えて
証券会社、さらにはでかいだけの事業会社にまで
及ぼしているのに
普段、あれだけ規制に反対していた
アメリカの会社法学者(の半分)
が反対の声を上げないのには不満です...
(BebchukやRoeみたいな規制主義者?は別にかまわないのですが...)
株式持ち合いについては
リスク資産の投資の反省というよりも
おかしな国際規制(ヴァーゼル合意)の押し付けだ
という居直り論調のほうが
日本国内では強かったような気もします
投稿: 故元助手A.T. | 2009/06/18 21:43
おかしな規制の押しつけだというのは、確かに頷けないことはないし、ジャパン・プレミアムなんてのはハゲタカ的な足下を見た行動という感じでしたけど、ともかく10年少し前は居直りも長くは続かなかったでしょ。
ところが今は、もう・・・。
銀行は例外というのは、かつての護送船団時代はそうだったかもしれないけど、それをやめるっていうのが金融ビッグバンだったんじゃないですか?
まあ、まだまだ規制は多いですけども。
投稿: 町村 | 2009/06/18 21:50
>その点、やはりアメリカは資本主義の国らしいと思うし
う~ん・・・・
五十歩百歩の感じもありますが・・・・
新自由主義はダメだった、以上終わり。
じゃないんですかねぇ?
少なくとも、小泉改革当時の「規制緩和いけいけドンドン」の時代と、現在は同じ時代ではないから、責任としては「規制緩和は、自分でやれ」という主張はもっともであっても、通用させるのは無理ですよね。
>株式会社や資本主義の本丸のような企業・金融機関は、
>政府が税金をつぎ込むことにすっかり慣れきってしまって、
>「俺たちを潰したら困るのはお前らだからな」といわんばかりの態度で
>公的資金を要求している。
>おかしいとは思わないのか?
おかしいけど、元が新自由主義の主張が正しいという前提で「正しいことをやるのに文句を言うな」という論法だったのだと思う。
そちらの企業はいまだに「正しいことを続けるのだから、公的資金を出せ」という論理(?)なのでは無かろうか?
新自由主義者の主張をいまだに先頭にだして「改革重視」とやっているように見える政党の力量低下が響いているのだと思うのです。
投稿: 酔うぞ | 2009/06/19 06:38
■LEC大:来春から学部生の募集停止 定員割れ続き、累積赤字30億円-サブ・プライムローンと同じようにNPOの分野に民間営利企業が入り込むと失敗するという格好の事例か?
こんにちは。LEC大学、というか、株式会社大学は結局失敗だったようです。私自身は、最初から失敗するのではと思っていました。私のブログでは、その根拠を掲載しました。結論として、NPOの分野に民間営利企業が入りこむと、失敗するというものです。日本では、報道されませんが、アメリカでは随分前から NPOが低所得者向け住宅の提供をしており、成功し続けています。サブプラムローンによる破綻は、民間営利企業がこの分野に入りこむと失敗することの格好の事例となったと思います。LEC大学の失敗も本来NPOの分野に民間襟企業である株式会社が入り込んで失敗したものであり、根本的にはサブプライムローンの問題と共通点があります。詳細は、是非私のブログをご覧になってください。
投稿: yutakarlson | 2009/06/22 11:25