UNIV:アカハラで自殺に至る東北大院生
アカハラというよりはアカネグ(Academic Neglect)とでもいうべきであろうか。
読売online:東北大大学院生が自殺…博士論文、2年連続受け取り拒否され
自殺したのは理学研究科で生物関係の研究をしていた博士課程の男性大学院生(当時29歳)。 大学院生は2007年12月、博士論文の草稿を事前提出したが、准教授は大学院生と十分に議論せず受け取りを拒否。准教授は06年11月ごろにも、論文提出を延期するように指示しており、大学院生は2年連続で博士号の取得に失敗した。
蛸壺のような狭い講座の悲劇ということかもしれない。
記事によれば、大学の調査委員会が調べたところ、当該大学院生の論文は博士審査に値するものだったそうだ。
ちなみにこの准教授は辞職して、処分を免れているようである。
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コメント
論文受取拒否と自殺との因果関係があったとして、過失認定できるかは微妙なところではないでしょうか。「十分議論せず」ってところがポイントかと思いますが。
過失が認定され、賠償責任が認められたとしても、自殺事例なので、素因の寄与による減額がなされちゃうんでしょう。
いずれにせよ、院生としては指導教官とは良好な関係を築いておけってことですよね。
投稿: 603 | 2009/05/14 14:38
博士論文自体が大方できているなら、学科や学部の長に事情を申し立てて、博士号を取得することはできるでしょう。
かなら別ですが、
その結果、指導教員との関係は破綻しますが、すでに破綻しているなら、もはや失うものはないです。
投稿: Inoue | 2009/05/15 08:19
いわゆる小講座制だと、他の先生に申し立てるのが事実上難しいのかも知れませんね。
この当該大学当該部局がどうなのかは分かりませんが。
投稿: 町村 | 2009/05/15 10:48
小講座制でなくとも,指導教員の変更には相当程度の困難がともないます。
研究科長なり,学務・教務委員に申立をしたとしても,学務・教務委員会での事情調査をして,事情が判明したとしても,当該指導教員がそれを素直に認めて,変更に応じるかどうかは微妙です。
すると,強制的に変更するには,おそらくは教授会レベルで当該事情説明をした上で,承認されないといけないでしょう。
こうなってくると,当該研究科の教授会構成メンバーあるいは執行部の意識として,どうなのかということが問われるはずです。
この点でも,小講座制固有の問題に矮小化するような見方はあまり適切とは思えません。
大講座制あるいは講座制をとっていない場合でも,事実上,個々の教員がひとりひとり講座になっているようなところもありますし。
投稿: tedie | 2009/05/17 05:20
とすると、論文指導に関する指導教授の裁量ってどのくらいなのでしょうかね。
投稿: 603 | 2009/05/17 15:46
教授が「カラスの頭が白い」といえば、「はい、その通りです」といわなければいけないのが現在の大学です。どこの国も一緒だと思います。
要は大学に残る人の倫理観の問題だと思います。
人間ですから、合う合わないはあると思いますが。。。
投稿: とほほ | 2009/05/17 19:40