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2009/05/12

prescription:時効制度見直しパブコメ

asahi.com:時効見直しの意見募集 法務省、6月まで1カ月間

(1)制度改正の必要性
(2)廃止、延長など同省の中間報告で明らかにした4案への意見
(3)対象犯罪の範囲
(4)時効が進行中の未解決事件にも改正を適用すべきかなど

法務省サイトにはさすがにお知らせ欄でリンクがはってあった。

「凶悪・重大犯罪の公訴時効の在り方」について(意見募集)

間違えてもらっては困るのは、今回の時効制度が「公訴時効」、つまり刑事裁判を起こす期間制限のことであり、先頃問題となった民事の消滅時効(除斥期間)についてのものではないということだ。

その上で、上記の中間報告(PDF)によれば、以下の4案が提案されている。

(1) 公訴時効の廃止
これは,殺人など人の死亡を伴う一定の犯罪について公訴時効を廃止するものである。
(2) 公訴時効期間の延長
これは,殺人など人の死亡を伴う一定の犯罪について公訴時効期間をより長期間とするものである。
(3) DNA型情報等により被告人を特定して起訴する制度
これは,米国の連邦法制及びいくつかの州法制の例にならって,被告人をDNA型情報等によって特定し,氏名等による特定はしないまま起訴する制度を導入するものである。
(4) 検察官の裁判官に対する請求により公訴時効を停止(延長)する制度
これは,一定の確実な証拠がある場合に,検察官の裁判官に対する請求とそれに基づく裁判官の決定により,時効を一定の期間停止(延長)させるものである。その趣旨は,更なる捜査を行えば犯人検挙の可能性が高いと考えられる一定の事件についてのみ時効を停止させることで,捜査機関の捜査資源の適正な配分に配慮しつつ,当該事件において犯人が明らかになったのに処罰し得ないという事態が生じることを防止し,できる限りの正義を実現しようというものである。

遡及適用の可否についても意見が求められているが、これについて上記中間とりまとめには以下のような分析がある。
 まず時効完成後の事件に時効廃止の効果を及ぼすことはできない点に異論はない。
 しかし時効未完成の事件については、遡及適用可能説と不可能説があり、可能説は立法裁量であること、手続的な問題であって可罰性の問題ではないこと、不可能説はその反対で、憲法39条の保障が及ぶことを論拠とする。

仮に遡及適用可能説に立って立法した場合、先の改正で延長された時効は無意味になり、改正前の時効が未完成の事件について遡及適用の可否が憲法裁判として問われる状態がしばらく続くのであろう。その筋の法律家にとっては、しばらく飯のタネということになろうか。

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