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2009/05/02

google書籍検索から削除を求める著者たち

どうも何か勘違いをしているのではないかという疑問が禁じ得ない。

ひょっとして、無許諾でグーグルが書籍の全文を公開しているんだと勘違いして削除を求めてはいやしないか?

参考ページ:Google ブック検索ページにアクセスすると、どのような画面が表示されますか

一昨日のNHKニュースでこのテーマが取り上げられていたとき、美術本か何かの出版社が、本が売れなくなると心配していた。しかし、高価で貴重な本がネットで検索してヒットするようになると、売れなくなるどころか、売れなかったものが売れるようになるはずではないか?
 全文・全写真はもちろん、その抜粋であっても、さすがにグーグルが無許諾で行えば著作権侵害そのものであり、日本法なら刑事罰の対象でさえある。グーグルのやっていることはそうではなくて、全文をデジタル化して検索対象とした上で、検索ヒットした場合は書誌情報または短い抜粋を表示することだけなのである。

上記のテレビに出て本が売れなくなると心配していた方々は、ロングテールなんて言葉は聞いたことがないのだろうけども、仮に売るべき在庫が少しでもあり、その存在を知ったら買いたがる人が少しでもいたとすると、その間をつなぐのはネットであり検索エンジンなのである。

なぜ、削除を求めるのであろうか?

J-CASTニュース:グーグル書籍データベース訴訟 日本では「和解参加」が大勢

この記事では、見出しに出ていないが、次のように書かれている。

米グーグルが著作権者や出版社に無断で進めている書籍データベース化訴訟問題で、日本では徹底的に争うと宣言する著作権所有者が出ているものの、一旦和解した上で、その著作物をグーグルの書籍データベースから削除を求めるのが大勢になっている。

こうした行動は、いってみれば無断リンク禁止と主張したがるのと同じで、あるいは検索エンジンに載せてもらっては困るといってロボットクロールお断りのタグを書くのと同じで、おそらくネットの便利さを全く知らず、インターネットというと不良のたまり場くらいにしか思っていないし、自ら公開したものが人に見られるとプライバシー侵害だと感じてしまう人たちなのではないかと想像するが、もしそうでなければ、何か誤解が潜んでいるとしか思えない。

そもそも一切の複製は拒むと言いたげな三田誠広氏の「グーグルが進めているのは複製権の侵害で、世界中で混乱をきたしている」という発言は、ある意味ポジショントークなのかも知れないが、読んでもらう機会よりも複製権の方が大事という信念なのだろう。
他方で反グーグルという一種の反体制的ニオイがする次のような集団もある。

詩人の谷川俊太郎さん、作家の三木卓さんらは09年4月30日に都内で記者会見し、グーグルに対し「一種の文化独裁だ」と非難。谷川さんたち約180人の著作権者が「和解を進める集団」から離脱すると語った。

それはまあ、立派な考えかも知れず、勝手にやってればよいのだが、一般の著者たちがグーグルブックサーチの検索対象から削除してくれと要求するというのは、理解できない。

読んでもらって、知ってもらってなんぼなのではないのか?

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コメント

>読んでもらって、知ってもらってなんぼなのではないのか?

20年以上前にパソコン通信で新聞社などと記事転載について話し合いをしたことがありますが、今になって思うと既存メディア的な思考は、「読んでもらって」ではないですよ。

これは、日本全体が思考的に侵されている(と思っています)プロダクトアウト思考(作った方が偉い)の影響だと思う。

日本では消費者も良くなくて「メーカは問答無用で良い製品を供給するべきだ」一辺倒で「メーカがやらないなら自分で作る」なんて指向がほとんどない。
(法的にも私的に試作はやりにくい)

これが、出版などでは再販制がついてまわるわけで、実際に零細出版社の経営相談に乗ったことがありますが、市場の予測なんて意識は皆無でした

つまり「企画を考える競争」にはなっていません。
ここらが「市場を見ていない」と感じるところだったのですが、ここを強引に延長してみると「読まれてナンボ」=「読まれるために努力する」となっていないのだから「読まれてナンボ」ではなくて「良いものを出せば当然読まれる(読むべきである)」といった思考なのでしょう。

メーカーが「市場が理解してくれない」とか言うのと同じです。

工業製品では、ここで流通業者の革新が起きました。
通販業者の台頭です。

情報についての流通の革新がネット利用でしょう。
著者・出版社がネット利用に抵抗するのは、工業製品(金型部品や工具など)の通販ルートを造ろうしている新規の流通事業者に対して、猛然と抵抗した部品メーカを思い起こさせるものがあります。

このような「争い」はほぼ35年前に起きたことであって、今では町の工具屋さんが極めて減ってしまった代わりに、個人でも工具類を買うことが出来る通販ルートが確立しました。

出版界がそれまで持つのか大いに疑問でありますね。

投稿: 酔うぞ | 2009/05/03 11:10

この件についてはなんだか実態がよくわからなくています。
引用された記事だとGoogleに抵抗しているのは著作権者(作家など)のようですが,出版社もそれに加わっているということでしょうか?

零細出版社の立場から言うと,ますます進む出版不況の中,すべてにおいてのコストダウンと,もちろん市場を読む努力は欠かせないのですが,「良いものを出せば当然読まれる(読むべきである)」といった思考は,とくに古くからの著者に強くあって,協力が得られず残念ながら新刊が出せなくなる場合も増えています。

出版業界も他の業種業界と同様に,ギシギシと音を立てながら仕組みが変わり世代交代が進んでいるところです。

その渦中にある(古い)著者が過敏な反応をするのは仕方ないとして,なぜ出版社が反対しているのかわかりません。

また,著作権者や出版社以外は黙認状態なのでしょうか?
取次は,AmazonであろうとGoogleであろうと自分のところを通るのならば苦言はないとはいえ(ここに大きな問題はあります),とくに書店は,大手と零細では意見が異なるながら反対していそうですが。

投稿: munetc | 2009/05/06 13:02

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