Book:テキストブック現代司法第5版出る!
名著の復活である。
この本の第1版は、北大法学部での授業「裁判法・現代司法を考える」を元に、その授業担当者3名とその他の人々が協同して執筆したものだ。
当時の担当者は一人も北大に残っていないし、最初の執筆者のうち二人までが鬼籍に入っているが、木佐先生と佐藤先生が新たな執筆陣を加えて復活させた。
司法改革のさきがけの名著と帯にあるが、まさにそういう位置づけの本であった。
その後の司法制度改革がこの本の志向する改革方向と一致しているかどうか、議論の余地は多々あるが、しかし裁判員制度導入などは取り調べの可視化や証拠開示などを伴う限りでこの本の主張してきたことであった。また裁判官の人事の民主化・透明化というのも、この本が最初に出た当時に閉塞感が、現在かなりの程度改善されているといえる。
ちなみに、法科大学院はどうすべきかという項目が目次にあるので見てみたところ、定員削減により、特に大規模校の定員削減により、総定員を4000人に引き下げて、合格率7~8割を実現しようということが書かれている。
こういう数の議論には今ひとつ共感できないのだが、この部分を書いたのは宮澤先生である。宮澤先生の最近の主張がよく現れているともいえる。
ただ、共同執筆者の中で定員削減に全く背を向けている大規模校の教員がいるのだが・・・。
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