ISPに公共性はないと身をもって示すNTT-Data
NTTデータがDoblogを閉鎖するそうである。
CNET Japan:ネットサービス、閉鎖の作法とは?でご意見をというので、パネリストではないが、思うところを記してみた。
閉鎖の理由として掲げているのが、とりつくろい丸出しで笑えるのだが、「Doblog開設時の目的である、ブログシステムを構築するための技術的知見、およびコミュニティサービスを運用・運営するためのノウハウの蓄積については十分に達成できた」というのである。
しかし、誰しも知っている。技術的知見が得られず、手に負えなかったから、もうやめたといっているのだ。しかも、天下のNTTとかデータとか、いかにもデータを扱わせたら万全と思えるような社名のくせに、サーバーが故障して復旧作業もうまく行かず、すべてのデータを復元することもできなくて、結局バンザイしてしまった。
お知らせより
故障発生以降、情報(記事データ、画像データなど)の復旧と、復旧した情報をダウンロードできる環境の構築作業を実施してまいりました。
一連の復旧作業により、故障発生の前日である2月7日未明時点のバックアップデータが復旧いたしました。
2月7日未明以降のバックアップデータは存在していないため、復旧作業を終了いたしました。
試算では99%以上の情報は復旧できたものと考えておりますが、全ての情報の復旧には至りませんでした。
復旧させることができなかった情報を投稿されたユーザーの皆様、長きに渡るサービス停止によりご利用いただけなかったユーザーの皆様にご迷惑をおかけいたしましたこと、深くお詫び申し上げます。
これに続いて終了の利用は次のように書かれている。
復旧作業の終了を受け、今後のDoblogについて検討した結果、Doblog開設時の目的である、ブログシステムを構築するための技術的知見、およびコミュニティサービスを運用・運営するためのノウハウの蓄積については十分に達成できたものと考え、サービスを終了するという判断をいたしました。
さぞかし貴重な知見が得られたであろう。つまりは、NTTデータくらいのところだと、データを責任もって預かることなどできず、セキュリティの責任は負えないから、やめた方がよいという知見とノウハウが得られたわけだ。
利用者としても、数あるブログサービスのうち、どういうところを選んだらよいかという知見を得られたような気がする。
上記の真実(と思えるところ)を度外視して、終了の理由を額面通り受け取るとすれば、ISPとかブログサービスというのは、土地とか建物とかのような安定的な基盤を提供して表現行為や経済行為を安心して実施できるような公共的なサービスではなく、いつでも面倒になったら(自分さえノウハウや知見を得られたら)やーめたといえる、そういうサービスだということなのである。
少なくともNTTグループ会社的には、ISPサービスなどその程度のものだというわけだ。
他社サーバー上で電子商取引を展開している企業とか、電子媒体で作品を発表する作家とか、実は砂上の楼閣といったところであろうか。
まあ、皮肉抜きでも、インターネットが普及し始めて10年少々なのだから、そのような電子ネットワーク基盤にもネットワークサービスにも、土地とか建物のような安定的インフラと同じような信頼を寄せる方が間違っているのかもしれない。
その上で、ネットワークサービス閉鎖のお作法としては、技術力が足りず続けることができません、ご免なさいと素直に言った方が、見え見えのお為ごかしで余計に反感を買うような言い訳をするよりもよいと思う。
もちろん事業譲渡などでサービスを継承することは当然として・・・。
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