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2009/03/14

Media:ボットネットを買い取って使ってみるBBC

CNET Japan:BBCがボットネットを購入--コンピュータ犯罪の脅威を示す目的で

購入しただけでなく、実際にボットネットを通じて指令を出し、スパムをダミー標的に向けて発信させたりDDos攻撃をしてみたりしたそうだ。
上記記事でも触れられているが、その行為自体は犯罪行為ではないかと思われるだけでなく、メディアの倫理としても重大な問題を引き起こすだろう。

スパムを送ってみたデモ

いってみれば、麻薬の蔓延の実態を報道するために、麻薬を購入して使ってみたというのと同様であり、報道目的で行うということが違法性阻却事由になるとは考えにくい。
もう少し手前の例を考えるとしても、世の中に流布している空き巣ツールを使って他人の家の鍵を開けてみたとか、カモリスト付き詐欺マニュアルを購入して騙しの電話をかけてみるとか。

ボットに感染しているPCの資源を実際に使ったようなので、日本なら不正アクセス禁止法の既遂にもなりそうである。構成要件的に成立するかどうかは、実際の実行形態によるかもしれないが。

cf. 不正アクセス禁止法3条2項3号

電気通信回線を介して接続された他の特定電子計算機が有するアクセス制御機能によりその特定利用を制限されている特定電子計算機に電気通信回線を通じてその制限を免れることができる情報又は指令を入力して当該特定電子計算機を作動させ、その制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為

DDos攻撃のデモは次の画面。

メディア倫理の観点では、非合法ビジネスに潜入取材するケースそのものであり、その過程で非合法行為を行ってしまうのは、やはり問題であって、取材目的がどこまでこれを正当化するか、大いに議論が必要である。
ただまあ、こうした報道によりボットネットの脅威が世の中に知らされ、気がつかない被害者やセキュリティに無頓着な被害者が対策をとるようになってボットが減るという方向に動くのなら、それは大いに公益に資することも事実だが、そうした効果は観念的なものにすぎないという反論もあるだろう。

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