LSAT:適性試験足きり案
asahi.com:法科大学院の適性試験、下位から15%「門前払い」案
マジですか?という感じだが、既にこの方向で行くことは決まっていたようなもので、いつ、どういう理由付けで、どれくらいの幅でやるのかと言うことだけが議論となっていたようだ。
中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の作業部会は、総受験者の下位から15%程度を目安に、大学院入学の「最低基準点」を設定するべきだとの案をまとめた。
適性試験は、確かに頭の回転の速さとか、読解力や論理的思考力を試す問題となっているのだが、時間が限られているので、成績はスピードにかなり依存している。
そのような偏りを是正するものとして、文章を実際に書かせる表現力テストも行っているが、これは残念ながら採点対象となっていないので、足きりには使われないだろう。
それに、法律知識そのものはテストしないので、法科大学院の成績との相関関係がなかなか表れにくい。
そういうテストだから、アメリカでもLSATのスコアだけで決めるというのはやめてくれと言うのが、そもそも主催団体の見解だ。実際にはLSATのスコアがどうしても有力な決め手になりがちなだが。
日本の適性試験も、その有用性を否定するつもりはないのだが、足きりという形で、そのテストでできないと言うだけで入学を阻まれるというのは、公平さに欠けるとさえ言えよう。
この足切り案は、もともと入試成績が悪くても入学させてしまうレベルのロースクールを早めに淘汰しようとして考えられてきたというらしいが、もう少し他のやり方で適正な数に調整する方法が考えられないのか、というのが率直な感想だ。
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