大学基準協会もLS不適合
今まで適合していないという判定は、試験問題漏えいがあったとしても出さない審査機関であった大学基準協会が、今年は一挙に9校もの不適合判定をした。
大学基準協会により不適合とされた法科大学院は、以下の9校。
大阪学院大学法科大学院
法理論教育と法実務教育の架橋を図るための工夫(評価の視点2-5)、法曹倫理に関する科目、民事訴訟実務、刑事訴訟実務に関する科目の必修科目としての開設(評価の視点2-6)、法学既修者の認定基準・方法と認定基準の公表(評価の視点4-8)に重大な問題を有する
神奈川大学法科大学院
課程修了の要件の適切性(評価の視点2-11)、法律基本科目の各科目への専任教員の適切な配置(評価の視点3-6)、学生の受け入れ方針、選抜方法・手続きの適切な設定およびその公表(評価の視点4-1)、学生の適確かつ客観的な受け入れ(評価の視点4-2)に重大な問題を有する
関西大学法科大学院
学生の履修が過度に偏らないための科目配置への配慮(評価の視点2-3)、カリキュラム編成における授業科目の適切な分類と系統的・段階的な配置(評価の視点2-4)、課程修了の要件の適切性と履修上の負担への配慮(評価の視点2-11)、法律基本科目における学生数の適切な設定(評価の視点2-23)、成績評価、単位認定および課程修了認定の基準および方法の明示(評価の視点2-25)に重大な問題を有する
関東学院大学法科大学院
学生の履修が過度に偏らないための科目配置への配慮(評価の視点2-3)、課程修了の要件の適切性(評価の視点2-11)、履修科目登録の適切な上限設定(評価の視点2-12)、成績評価、単位認定および課程修了認定の客観的かつ厳格な実施(評価の視点2-26)、教員の専門分野に関する高度な指導能力の具備(評価の視点3-4)に重大な問題を有する
甲南大学法科大学院
成績評価、単位認定および課程修了認定の客観的かつ厳格な実施(評価の視点2-26)、学生の受け入れ方針、選抜方法・手続きの適切な設定およびその公表(評価の視点4-1)、学生の適確かつ客観的な受け入れ(評価の視点4-2)、法学既修者の認定基準・方法と認定基準の公表(評価の視点4-8)、教学およびその他重要事項に関する専任教員組織の決定の尊重(評価の視点8-2)に重大な問題を有する
東北学院大学法科大学院
教員の専門分野に関する高度な指導能力の具備(評価の視点3-4)、法律基本科目の各科目への専任教員の適切な配置(評価の視点3-6)に重大な問題を有する
日本大学法科大学院
学生の履修が過度に偏らないための科目配置への配慮(評価の視点2-3)、カリキュラム編成における授業科目の適切な分類と系統的・段階的な配置(評価の視点2-4)、授業計画の明示(評価の視点2-19)、成績評価、単位認定および課程修了認定の基準および方法の明示(評価の視点2-25)に重大な問題を有する
白鷗大学法科大学院
学生の履修が過度に偏らないための科目配置への配慮(評価の視点2-3)、法学既修者の課程修了の要件の適切な設定(評価の視点4-9)に重大な問題を有する
名城大学法科大学院
成績評価、単位認定および課程修了の客観的かつ厳格な実施(評価の視点2-26)、学生の適確かつ客観的な受け入れ(評価の視点4-2)について重大な問題を有する
不適合の理由としては、教員が確保できなかったり、実務基礎科目をちゃんとやっていなかったり、成績評価に出席を点数として加味したり、入試の配点などの基準が明らかでなかったり、15コマの演習を1単位としてキャップ制をくぐり抜けたり、既修者として認定されると34単位が免除されたり、正規の授業時間後に事実上補講として機能する時間を設けていたり、クラスサイズが60名を超え、さらには80名に達している科目もあったり、シラバスがない科目が10科目もあったり、単位論文という形で試験を課さずに単位認定をしていたり、本試験と追試験が同じ問題だったりということが挙げられている。
ややパラフレーズしたので、より正確には大学基準協会のサイトに掲載された評価報告書を参照されたい。
ちなみに、同時に審査を受けた南山大学法科大学院は、問題なく適合判定を受けている。
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コメント
民事訴訟法の教員募集中だそうです。
投稿: みなみのやま | 2009/03/30 23:20