bankruptcy:破産免責と交通事故
毎日jp:死亡事故:自己破産免責認めず…年12万円、20年の償い
破産免責を受けた者が以前の交通事故損害賠償債務について免責されず、毎年賠償金を支払う旨の和解が成立したというニュースである。
参照条文
破産法253条(免責許可の決定の効力等)
免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない。(以下略)
一 租税等の請求権
二 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
三 破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。)
交通事故損害賠償債務については3号に該当するが、それにしても「故意または重大な過失により」との要件があるところである。
免責された債権でも任意に支払うことは否定されないのだが、裁判上の和解として良いかどうかは議論の余地があるだろう。
サラ金が同じことをやったらどうか?
| 固定リンク
「法律・裁判」カテゴリの記事
- Arret:欧州人権裁判所がフランスに対し、破毀院判事3名の利益相反で公正な裁判を受ける権利を侵害したと有責判決(2024.01.17)
- 民事裁判IT化:“ウェブ上でやり取り” 民事裁判デジタル化への取り組み公開(2023.11.09)
- BOOK:弁論の世紀〜古代ギリシアのもう一つの戦場(2023.02.11)
- court:裁判官弾劾裁判の傍聴(2023.02.10)
- Book:平成司法制度改革の研究:理論なき改革はいかに挫折したのか(2023.02.02)
コメント
この記事だと、あたかも重大な過失と認定したかのようにも読める書き方ですけど
実際のとこはどうなんでしょう?
個人的には
自然人でも事実的不法行為責任は破産免責されないようんな運用が続くと
法人の不法行為の有限責任の正当化根拠がまた一段と危うくなるような気がするので
気になるところではあります。
投稿: 故元助手A.T. | 2009/03/14 19:15
重大な過失かどうかは実際の事件によりますね。
その他については、まあ、色々。法人の不法行為と考えることが諸悪の根源だったりして。
投稿: 町村 | 2009/03/15 01:23