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2009/02/25

class action:グーグルと著作権者の和解

読売online:日本の作家びっくり!申請なければ全文が米グーグルDBに

google booksを巡り、無断でデジタル化して検索対象にするのは著作権侵害だと訴えていた件が、和解に達し、一定の条件の下で絶版書籍のデジタル化が可能になった代わりに、著作権者にも一定の報酬が支払われるということになった。

これはクラスアクションであるため、一定範囲のクラスにこの和解の効力が及び、オプトアウトの意思表示をしなければ和解条件に拘束される。少なくともアメリカ国内においてグーグルが使用権を確立する中には、出版国を問わずにアメリカ国内でアクセスされる書籍が含まれるので、日本で出版されアメリカで売られている書籍も、この和解の効力を受けるわけだ。

もちろん、アメリカの裁判所で成立した訴訟上の和解の効力が日本国内でも通用するわけではない。従って日本国内でグーグルが日本の書籍をオンライン提供しようとしても、著作権者の個別の同意が必要であることは変わらない。
上記の合意は、アメリカ国内からアクセスする限度でとなっているので、アクセス元の地域制限をかける必要がある。

ちなみに、このことに関するグーグルのページを見てみよう。
Google ブック検索和解契約
Googleブック検索和解

訴訟名The Authors Guild, Inc., et al. v. Google Inc.、事件番号は 05 CV 8136 (S.D.N.Y.)

現段階は、和解案に対する裁判所の予備承認がおりたというところで、これから公聴会を開いて、最終承認をする。
その公聴会は2009年6月11日午後1時(東部夏時間)に合衆国南ニューヨーク地区連邦地方裁判所(500 Pearl Street, New York, NY 10007)の14C法廷において開催される。
これには出席希望を2009年5月5日までに裁判所に提出することにより、出席可能となる。

また、和解の効力を受けたくないという場合は、2009年5月5日以前に除外申請をする(オプトアウトする)ことができるが、除外用ウェブページからも可能である。

さらに、和解から除外申請するのではなく、和解自体に異議を述べることも可能で、書面による異議と異議理由の提出、上記公聴会における異議の主張(ただし事前に書面提出は必要)が可能となっている。
この異議申立は、当然に和解を失効させる性質のものではなく、当否の判断を求める性質のものだから、異議が通らなければ和解は承認される。また異議を述べなければ失権効があり、和解の効力を争うことはできなくなる。

さて、こうした手続は、アメリカ型クラスアクションを導入しようとする消費者団体訴訟の議論にも、参考資料として有用である。特にオプトアウトとはクラスの構成員に対する手続保障が不十分だという議論が盛んにされるのであるが、この手続と、例えば除権手続(ex.非訟156条以下)における手続保障との比較をしてみれば、クラスアクションが必ずしも不当と評価されるものでもなさそうである。

追記:日本書籍出版協会の解説pdf

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» google和解に日本文芸家協会も参加 [Matimulog]
ちょっと不正確なタイトルだが・・・。 asahi.com:米グーグルとの和解金、 [続きを読む]

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