jugement:破産係事務官の収賄
求刑懲役1年及び追徴に対し、懲役1年6月を言い渡した。
身内の犯罪に、よっぽど腹に据えかねたというところであろうか。
ただ、執行猶予は付いている。
量刑に至る事情
本件は,裁判所事務官として破産係に勤務していた被告人が,知人の破産手続に関する申立てについて,破産関係書類の記載方法等について指導を受けたことに対する謝礼等の趣旨のもとに供与されるものであることを知りながら,現金15万円の賄賂を受けたというものである。
被告人の犯行は,公正・公平であることがとりわけ強く求められる司法作用に対する国民の信頼を大きく揺るがすものであって,司法関係者に与えた衝撃が多大であることも想像に難くなく,その責任は重大である。
被告人が,積極的に破産することを相手方に勧め,冗談で言ったものというが,自ら「15万円でやってあげる」などと具体的金額に言及し,結局そのとおりの金額を受け取っていることからすれば,本件は決して偶発的とはみられず,悪質である。
これらを考えると検察官の求刑は軽すぎるものと考えられる。
| 固定リンク
「法律・裁判」カテゴリの記事
- Book:平成司法制度改革の研究:理論なき改革はいかに挫折したのか(2023.02.02)
- Wikipediaの記事を裁判に証拠として提出することの効果(2023.01.08)
- 民訴125条と新たな法定訴訟担当(2023.01.04)
- Book:弁護士のための史上最悪の離婚事件(2022.11.24)
- Book:痴漢を弁護する理由(2022.11.14)
コメント